文化財はわが国の歴史、文化の中で生まれ、育まれ、そして現在に伝え守られてきた貴重なわたしたちの財産であり、わが国や地域の歴史、文化などを理解するためには欠くことのできないものです。
また、未来の文化の創造・発展の基礎となるものであり、一度破壊されると二度と再現することが不可能であるという性格をもっています。
このようなかけがえのない文化財の保護に関する基本的な事項を定めている法律が文化財保護法です。
文化財保護法は「文化財を保存し、且つ、その活用を図り、もって国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献することを目的」(法第1条)として、昭和25年5月30日に制定されました。
「埋蔵文化財」とは、一般的には、土地の下に埋もれている「遺跡」(住居跡などの地面に刻まれた生活痕跡や土器、石器などの道具)のことを指しています。
ここでいう「土地」とは、土や石などだけでなく、河川・湖沼・海なども含まれています。
また、「埋蔵」とは、土地に埋没しているものだけでなく、古墳や城跡などのように地表に露出しているものも含まれています。
埋蔵文化財は、次のような特徴を持っています。
「埋蔵文化財包蔵地」とは、こうした埋蔵文化財を包蔵する土地のことです。
先に述べた埋蔵文化財の特徴から、かならずしもすべての埋蔵文化財包蔵地が把握されているわけではないため、その所在や状況をあらかじめ把握する現地踏査や試掘作業が行われています。
埋蔵文化財は、地面に埋もれているために、その範囲を正確かつ完全に把握することが難しい性格のものです。
従って、現在、埋蔵文化財包蔵地として把握されている範囲が広がったり、新たに埋蔵文化財が発見されたりする場合もあります。
建物建設や土木工事等の開発行為の計画がある場合、計画段階などできるだけ早い時期に市教育委員会(時遊館COCCOはしむれ内社会教育課文化財係)に工事該当地が「埋蔵文化財包蔵地」であるかどうかを照会してください。
工事該当地が「埋蔵文化財包蔵地」であった場合は、工事を着工する60日前までに県教育委員会にその旨を届出しなければならないことが文化財保護法(第93条)で定められています。
なお、先に記した埋蔵文化財の特徴から、工事該当地が、「埋蔵文化財包蔵地」に隣接している場合は、市教育委員会のほうで現地踏査、試掘調査等を行う場合があります。
発掘調査が必要となることとなるのは原則として次のような場合です。
万が一、工事中などに遺跡が発見された場合には、文化財保護法により届出が義務付けられていますので、ただちに市教育委員会へ連絡してください。
「埋蔵文化財包蔵地」内で届出のないまま開発行為が行われると、文化財保護のため、工事を一時中断せざるを得ない場合もあります。
文化財の破損や計画にない経費の支出・工期の延長が生じ、文化財保護と開発事業者の双方にとって大きな損失となります。
こういった事態を未然に防ぎ、文化財の保護と開発事業との調整を円滑に図るためにも、工事の計画段階などできるだけ早い段階に市教育委員会までご連絡下さい。
皆様の御理解・御協力をよろしくお願いいたします。