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指宿_神話紙芝居_在ばなしの夢

更新日 2016年02月20日

在ばなしの夢

殿様ン奥さんに、夜ばなしが行た事ッ、せっこんだ事ッがあっちゅわいナ。○○どんの島津どんに。

そして、 そゆバ、弥次ヶ湯ちゅうとこいで、そん話ュしたちナ。「夕べは島津どんの奥さんのトをバ、やった」チ。こえんじやった。いけんじやった。 こげんじやったチ、そん、島津どんの話が出たかもナ。

そしたや、島津どんも、そん時、湯に入っじょったちナ。′′こんだ、こん野 郎は切い殺さんナいかん〃チ思っナ、マ、詳し事つバ、何やかや聞っから切い殺しチ、思たかもナ。そして、 「こケ(ここに)、あたヤ(私は)湯治ィ来ちょっで、 マ、そんな話ュ聞コごっあっで、ま、来てみれ」チ、言わってナ。〔それで、その男が〕行たチ。ほしたや、 〔殿さまの〕奥さんが、マ、「知れた時や、〔お前の〕命ゃ無カたっ」チ。「ほいで、知るっ前じゃっチ、思た時ゃ、 櫛すバ、ウソ折って茶の中ケ入れて出す」チ。「びんたをけずっあゆバ入れっやっで、そん時ゃ、気をかけんナ、 もう、命やなかド!」チ、〔前もって〕ゆだチ。

そしたや、マ、櫛ィが入っじょったちゅわナ。「こりゃあ、殿さまじやったよいじゃ」と、 びくっ魂消ってナ。そいから、〔殿さまが〕「いけんじゃったか?」ちゅっナ。

「夕べはこうして行たっ、あん、高い石垣を越えっ、ひょっチ飛っ降ったや、いのこ犬がおって、犬がほえっ、 恐ろしかって、′′はっ〃チ、目が覚めっ、こえん恐ろし夢ちゅは、なかった。悪ィか夢を見た。大事ナ事ッちゅ はなかった。」ちゅっナ。モ、がっつい、泣っかぃた(泣きながら)拝んだちゅわいナ。ほしたや、「夢」チ、夢でひっ通って良かったたっチ。

〔話者 木之下 木之下金蔵(明治三十八年十月ハ日生)〕