history-chusei中世の指宿は,武士たちの群雄割拠の時代。松尾城を中心としていくつもの山城が築かれ,争いが繰り広げられた。当時指宿を支配した指宿氏が記した「指宿文書」は,鎌倉時代以降の指宿を伝える重要文書だ。また,市域には板碑などの石造物が多く残っており,当時の人々の祈りや信仰を伺い知ることができる。 山川港は中世からすでに天然の良港として栄えており,外国船もやってきた。ポルトガルの商人ジョルジェ・アルバレスは山川に滞在し,かの有名な宣教師ザビエルの依頼を受けて『日本報告』を記した。これは西欧人が書いた,初の日本滞在記。ヨーロッパに初めて紹介された日本は,“山川”だったのだ。