○指宿市環境保全条例

平成18年1月1日

条例第111号

目次

第1章 総則

第1節 通則(第1条・第2条)

第2節 市の責務(第3条―第8条)

第3節 事業者の責務(第9条―第13条)

第4節 市民の責務(第14条・第15条)

第2章 自然環境の保全

第1節 緑化の推進(第16条―第19条)

第2節 自然環境の適正な利用(第20条―第22条)

第3章 生活環境の保全

第1節 工場等に関する規制及び公害の防止(第23条―第32条)

第2節 地下水の規制(第33条―第37条)

第3節 公共の場所等の清潔保持(第38条―第43条)

第4節 空き地等の適正な管理(第44条―第46条)

第4章 雑則(第47条・第48条)

第5章 罰則(第49条―第52条)

附則

第1章 総則

第1節 通則

(目的)

第1条 この条例は,市民の健康で文化的な生活を確保するため,関係法令(県条例等を含む。)に定めるもののほか,市,事業者及び市民の環境保全に関する責務を明らかにし,自然環境の保全,公害の防止その他必要な事項を定めることにより,市民の良好な環境を保全することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。

(1) 良好な環境 市民が健康な心身を保持し,安全かつ快適な生活を営むことができる自然環境及び生活環境をいう。

(2) 自然環境 自然の生態系を巡る土地,大気,水及び動植物の生存の基盤となる環境で次に掲げるものをいう。

 山林,原野,河川,海浜,湖沼,大気等の自然

 動植物等とこれらが生息する自然

 公園,緑地等の自然

 歴史的及び文化的遺産等を取り巻く自然

(3) 生活環境 人の生活に関する環境をいい,人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含むものとする。

(4) 公害 事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。),土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下及び悪臭によって,人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることをいう。

(5) 指定施設 工場又は事業場(以下「工場等」という。)に設置される施設のうち,ばい煙,粉じん,汚水,騒音,振動,悪臭(以下「ばい煙等」という。)を排出し,発生し,又は飛散する施設であって,規則で定めるものをいう。

(6) 井戸 動力を用いて地下水(温泉法(昭和23年法律第125号)第2条第1項に規定する温泉を除く。)を採取するための施設であって,揚水機の吐出口の断面積(吐出口が2以上あるときは,その断面積の合計。以下同じ。)が6平方センチメートルを超えるものをいう。

第2節 市の責務

(基本的責務)

第3条 市長は,環境基本法(平成5年法律第91号。以下「法」という。)に定める基本理念にのっとり,良好な環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため,環境保全に関する基本的な計画を策定して,これを実施しなければならない。

(良好な環境の整備)

第4条 市長は,良好な環境を確保するため,公園,緑地,道路,河川,下水道,廃棄物処理施設等の整備に努めなければならない。

(良好な環境の保全)

第5条 市長は,良好な環境の保護と回復に必要な施策を講じ,自然環境及び生活環境の保全に努めなければならない。

(財政措置等)

第6条 市長は,良好な環境の保全を図るため必要があると認めるときは,財政上の措置,技術的な援助等の措置を講ずるよう努めなければならない。

(公害防止協定の締結の要請)

第7条 市長は,公害の防止を図るため必要があると認めるときは,事業者に対して,公害防止協定の締結を求めることができる。

(公害監視連絡員の設置)

第8条 市長は,公害の発生源,発生原因及び発生状況を把握するため,規則で定めるところにより公害監視連絡員を置くことができる。

第3節 事業者の責務

(基本的責務)

第9条 事業者は,その事業活動によって良好な環境を侵害することのないよう自らの責任と負担において必要な措置を講ずるとともに,市が実施する良好な環境の確保に関する施策に協力しなければならない。

(努力義務)

第10条 事業者は,法令又はこの条例に違反しない場合においても,良好な環境の侵害の防止について努力するとともに,その事業活動による良好な環境の侵害に係る紛争が生じたときは,誠意をもって解決に当たらなければならない。

(良好な環境の保全)

第11条 事業者は,開発行為等事業活動を行うに当たっては,自然環境の保護及び公害の防止に努めるとともに,進んで植生の回復,緑地の造成等良好な環境の保全に努めなければならない。

(管理義務)

第12条 事業者は,その事業活動による公害の発生源を厳正に管理するとともに,事故の防止に努めなければならない。

(公害防止協定の締結)

第13条 事業者は,第7条の規定による要求があったときは,公害防止協定を締結しなければならない。

第4節 市民の責務

(基本的責務)

第14条 市民は,常に良好な環境の保全に努めるとともに,市が実施する良好な環境の確保に関する施策に協力しなければならない。

(良好な環境の保全)

第15条 市民は,良好な環境をつくるため進んで樹木,花等を植栽し,又は動植物を愛護する等自然環境の保全に努めなければならない。

2 市民は,道路,下水溝並びに自己の所有又は管理する土地又は建物及びその周囲の清潔を保ち,相互に協力して地域の生活環境の保全に努めなければならない。

第2章 自然環境の保全

第1節 緑化の推進

(緑化の基本方針)

第16条 市,事業者及び市民は,緑豊かなまちづくりを目指してそれぞれの責務を自覚し,計画的な環境の緑化に努めなければならない。

(公共用地の緑化及び保全)

第17条 市長は,公園,道路,学校その他の公共の場所及びその所有し,又は管理する土地の保全及び緑化の推進に努めなければならない。

(工場等の緑化)

第18条 工場等を設置している者又は設置しようとする者は,当該敷地内に緑地を確保し,又は樹木を植栽する等緑化に努めなければならない。

(宅地等の緑化)

第19条 市民は,その居住し,所有し,又は管理する土地について,樹木等を植栽し,進んで生活環境の緑化に努めなければならない。

第2節 自然環境の適正な利用

(適正な利用に供するための措置)

第20条 市長は,自然環境の適正な利用と保全を図るため,自然遊歩道,公園,緑地その他自然的レクリエーション施設の適正な配置に努めるものとする。

(適正な利用)

第21条 市民は,自然遊歩道,公園,緑地その他自然的レクリエーション施設の利用に当たっては,動植物をみだりに採取し,不要物を捨てるなど自然環境を損傷することのないよう適正な利用を心掛けなければならない。

(開発行為に対する指導勧告)

第22条 市長は,良好な環境の保全のため必要があると認めるときは,開発行為者に対し,必要な措置をとるべきことを指導し,又は勧告することができる。

第3章 生活環境の保全

第1節 工場等に関する規制及び公害の防止

(公害防止対策)

第23条 工場等の設置者は,その事業活動によって公害を発生させ,又は生活環境を汚染することがないよう適切な措置を講じなければならない。

(平24条例6・一部改正)

(公害防止に対する指導勧告)

第24条 市長は,良好な環境保全のため必要があると認めるときは,工場等の設置者に対し,必要な措置をとるべきことを指導し,又は勧告することができる。

(指定施設の設置の届出)

第25条 指定施設を設置しようとする者は,次に掲げる事項を市長に届け出なければならない。

(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては,その代表者の氏名

(2) 工場等の名称及び所在地

(3) 指定施設の種類,構造並びに使用及び管理の方法

(4) ばい煙等の処理の方法

(5) 前各号に掲げるもののほか,規則で定める事項

(経過措置)

第26条 一の施設が指定施設となった際現にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)は,当該施設となった日から30日以内に,前条に掲げる事項を市長に届け出なければならない。

(構造等の変更の届出)

第27条 前2条の規定による届出をした者は,その届出に係る第25条第3号から第5号までに掲げる事項を変更しようとするときは,その旨を市長に届け出なければならない。

(計画変更命令)

第28条 市長は,前3条の規定による届出があった場合において,その届出に係る指定施設の構造,使用方法,管理方法等が公害防止上不適当と認めるときは,それらに関する計画の変更を命ずることができる。

(実施の制限)

第29条 第25条又は第27条の規定による届出をした者は,その届出が受理された日から30日を経過した後でなければ,その届出に係る指定施設を設置し,又はその届出に係る指定施設の構造,使用方法,管理方法等を変更してはならない。

2 市長は,第25条又は第27条の規定による届出に係る事項の内容が相当であると認めるときは,前項に規定する期間を短縮することができる。

(氏名の変更等の届出)

第30条 第25条又は第26条の規定による届出をした者は,第25条第1号若しくは第2号に掲げる事項に変更があったとき,又はその届出に係る指定施設の使用を廃止したときは,その日から30日以内に,その旨を市長に届け出なければならない。

(承継)

第31条 第25条又は第26条の規定による届出をした者からその届出に係る指定施設を譲り受け,又は借り受けた者は,当該指定施設に係る当該届出をした者の地位を承継する。

2 第25条又は第26条の規定による届出をした者について相続又は合併があったときは,相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は,当該届出をした者の地位を承継する。

3 前2項の規定により,第25条又は第26条の規定による届出をした者の地位を承継した者は,その承継のあった日から30日以内に,その旨を市長に届け出なければならない。

(事故時の措置)

第32条 指定施設を設置している者は,故障,破損その他の事故により公害の原因となる物質を発生させ,又は発生するおそれが生じたときは,直ちにその事故について応急の措置を講ずるとともに,事故の復旧に努めなければならない。

2 指定施設を設置している者は,前項の事故について速やかにその状況を市長に届け出なければならない。

第2節 地下水の規制

(地下水の採取の届出等)

第33条 井戸により,規則で定める量以上の地下水を採取しようとする者は,当該井戸ごとに,次に掲げる事項をあらかじめ市長に届け出なければならない。

(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては,その代表者の氏名

(2) 井戸の設置場所

(3) ストレーナーの位置

(4) 揚水機の種類

(5) 揚水機の吐出口の断面積

(6) 前各号に掲げるもののほか,市長が必要と認める事項

(経過措置)

第34条 現に地下水を採取している者が前条又は第37条の規定に該当することとなるときは,その該当することとなる日から30日以内に,市長に対し届出又は報告をしなければならない。

(構造等の変更の届出)

第35条 前2条の規定による届出をした者は,その届出に係る第33条第3号から第5号までに掲げる事項を変更しようとするときは,規則で定めるところにより,その旨を市長に届け出なければならない。

(地下水採取に対する指導勧告及び命令)

第36条 市長は,良好な環境保全のため必要があると認めるときは,第33条又は前条の規定による届出をした者に対し,必要な措置をとるべきことを指導し,勧告することができる。

2 市長は,前項に規定する指導又は勧告に従わない者に対し,良好な環境の保全に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(水量の測定)

第37条 第33条又は第35条の規定による届出をした者が,地下水を採取するときは,水量を測定し,その結果を市長に報告しなければならない。

2 市長は,前項の水量の測定に当たっては,必要な限度において,市職員を立ち会わせることができる。

第3節 公共の場所等の清潔保持

(工事施行者の義務)

第38条 土木工事,建築工事その他の工事を行う者は,その工事に際し,土砂,廃材,資材等が道路,河川その他の公共の場所(以下「公共の場所」という。)に飛散し,脱落し,流出し,又はたい積しないよう適正に管理しなければならない。

(勧告)

第39条 市長は,前条の規定に違反して公共の場所の環境を著しく侵害していると認める者に対し,その違反を是正するために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

(指定廃棄物の回収処理義務等)

第40条 廃棄物となった際,適正な処理が困難となる製品(以下「指定廃棄物」という。)を販売する事業者は,その指定廃棄物を引取り,下取り等の方法によりその責任において回収する等適切な措置を講じなければならない。

2 市長は,前項に規定する事業者がその指定廃棄物を回収等しないときは,その事業者に対し期限を定めて回収その他適切な措置を講ずるよう勧告し,又は命ずることができる。

(再生資源卸売業者の清掃義務)

第41条 再生資源を集荷選別して販売を業とする者は,良好な環境を保全するため,その集積場及び再生資源について適正な処置に努めなければならない。

(届出義務)

第42条 前条に規定する事業者は,規則で定めるところにより,次に掲げる事項を市長に届け出なければならない。

(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては,その代表者の氏名

(2) 集積場の名称及び所在地

(3) 集積品の維持及び管理の方法

(4) 前3号に掲げるもののほか,規則で定める事項

(勧告及び命令)

第43条 市長は,第41条の規定に違反して当該地域の良好な環境を著しく侵害していると認められる者に対して,その違反を是正するために必要な措置をとるべきことを勧告し,又は命ずることができる。

第4節 空き地等の適正な管理

(所有者等の義務)

第44条 空き地等(市長が指定する区域内の空き地(休耕地を含む。)をいう。以下同じ。)の所有者,占有者又は空き地等を管理している者(以下「所有者等」という。)は,常に当該空き地等に繁茂している雑草又は放置されている廃棄物(以下「雑草等」という。)を除去し,良好な環境の保全に努めなければならない。

2 前項の規定によるもののほか,有害雑草は,速やかにこれを除去しなければならない。

(雑草等の除去の勧告)

第45条 市長は,空き地等の雑草等が著しく生活環境の保全に支障があると認めるときは,当該空き地等の所有者等に対し,雑草等を除去すべきことを勧告することができる。

(委託による除去)

第46条 市長は,所有者等において特別な事情により雑草等の除去が困難であるときは,所有者等の委託を受けてこれを市長が指定する者に除去させることができる。

2 前項の規定により雑草等の除去を委託した者は,雑草等の除去実費を市長が指定する者に支払うものとする。

第4章 雑則

(報告及び立入検査)

第47条 市長は,この条例の施行に必要な限度において,ばい煙等を排出し,発生させ,又は飛散させている者から必要な報告を求め,市職員をして立入検査,状況調査又は関係者に対し必要な指示若しくは指導を行わせることができる。

2 前項の規定により,立入検査等を行う市職員は,その身分を示す証明書を携帯し,関係者の請求があったときは,これを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入検査の権限は,犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(委任)

第48条 この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。

第5章 罰則

第49条 第28条第36条第2項第40条第2項若しくは第43条の規定による命令に違反した者又は第13条の規定による要求を拒んだ者は,5万円以下の罰金に処する。

第50条 第29条第1項の規定に違反した者は,3万円以下の罰金に処する。

第51条 次の各号のいずれかに該当する者は,2万円以下の罰金に処する。

(1) 第25条第26条第27条第30条第31条第3項第32条第2項第33条第34条第35条又は第42条の規定による届出をせず,又は虚偽の届出をした者

(2) 第37条に規定する報告をせず,又は虚偽の報告をした者

(3) 第47条の規定による報告をせず,若しくは虚偽の報告をし,又は同条の規定による検査を拒み,妨げ,若しくは忌避した者

(両罰規定)

第52条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その法人又は人の業務に関し,前3条の違反行為をしたときは,行為者を罰するほか,その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は,平成18年1月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日の前日までに,合併前の指宿市環境保全条例(昭和55年指宿市条例第14号)又は開聞町民の生活環境を守る条例(昭和48年開聞町条例第31号)(以下これらを「合併前の条例」という。)の規定によりなされた処分,手続その他の行為は,それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。

3 この条例の施行の日の前日までにした行為に対する罰則の適用については,なお合併前の条例の例による。

(平成24年3月29日条例第6号)

この条例は,公布の日から施行する。

指宿市環境保全条例

平成18年1月1日 条例第111号

(平成24年3月29日施行)

体系情報
第7編 生/第5章 環境保全
沿革情報
平成18年1月1日 条例第111号
平成24年3月29日 条例第6号