○指宿市再生可能エネルギー発電設備設置指導要綱
平成29年12月27日
告示第105号
(目的)
第1条 この告示は,市内における再生可能エネルギー発電設備の設置に関し,必要な事項を定め,その適切な設置を誘導することにより,良好な自然,景観及び生活環境と調和を図り,設置区域及びその周辺地域における災害の防止並びに市民生活環境の質の向上に資することを目的とする。
(1) 事業者 再生可能エネルギー発電設備を設置し,発電事業を行う者をいう。
(2) 発電設備 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号)(以下「再生可能エネルギー特別措置法」という。)第2条第3項に規定する設備をいう。ただし,住宅の屋根又は屋上に設置するものを除く。
(3) 発電出力 発電設備において,単位時間当たりに発電できる発電設備全体の最大総出力をいう。
(4) 設置事業 発電設備設置行為(土地の権利の取得,伐採,造成,工事等設置に係る事業の全てを含む。)をいう。
(5) 設置区域 設置事業を実施しようとする区域(発電設備を設置し,稼動及び維持管理するために必要な全ての敷地等をいう。)をいう。
(6) 近隣関係者等 設置区域及び隣接区域の自治会その他関係者をいう。
(7) 建築物等 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号及び第2号に規定する建築物及び特殊建築物をいう。
(適用を受ける事業)
第3条 この告示の適用を受ける設置事業は,再生可能エネルギー特別措置法第2条第4項に規定する再生可能エネルギー源で同項各号に定めるもののうち,太陽光,風力,水力及びバイオマスを活用した次の発電設備における新設,増設,大規模な改修等を対象とする。
(1) 太陽光発電設備のうち,発電出力が500キロワット以上のもの。ただし,発電出力が500キロワット未満であっても,高さが4メートルを超え,住宅に近接しているものを含むものとする。
(2) 風力発電設備のうち,発電出力が500キロワット以上のもの。ただし,発電出力が500キロワット未満であっても,最上部の高さが10メートルを超え,かつ,最も近い位置にある住宅までの直線距離が200メートル未満のものを含む。
(3) 水力発電設備のうち,発電出力が100キロワット以上のもの
(4) バイオマス発電設備のうち,発電出力が100キロワット以上のもの
(5) 既に設置済み又は施工中のものと一体的に行う場合で,その合計発電出力が前各号に該当するもの
(近隣関係者等への説明)
第4条 事業者は,次条の規定による届出を行う前に,設置事業の施工内容等について,近隣関係者等に対する説明会を開催し,理解を得るように努めるものとする。
(1) 位置図(縮尺5万分の1以上)
(2) 不動産登記法(平成16年法律第123号)第14条第1項に規定する地図又は同条第4項に規定する地図に準ずる図面(地番,所有者等を記入)
(3) 土地利用計画図(縮尺2,000分の1以上)
(4) 造成計画平面図(縮尺2,000分の1以上)
(5) 土地造成計画縦断図(縮尺縦1,000分の1以上及び横1,000分の1以上)
(6) 土地造成計画横断図(縮尺1,000分の1以上)
(7) 流量計算書
(8) 排水施設計画図(縮尺2,000分の1以上)
(9) 接続先排水路等管理者同意書
(10) 建築物等設計図(平面図,立面図,断面図及び敷地内配置図)
(11) 工作物設計図(平面図,立面図,断面図及び敷地内配置図)
(12) 事業者が法人の場合は,法人登記簿謄本(副本への添付は不要)
(13) 他法令の許認可等の写し(許認可審査中の場合は,申請書等の写しを添付し,許認可等の後に許可書等の写しを提出する。)
(14) 前各号に定めるもののほか,市長が必要と認める書類
2 既に土地の権利を取得している事業者にあっては,伐採,造成等に着手する前に前項の計画書を市長に提出し,協議を行うものとする。
(1) 設置区域の面積のみが縮小するとき。
(2) 前号に掲げるもののほか,市長が認めるとき。
(平30告示97・一部改正)
(事業者の責務)
第7条 事業者は,関係法令を遵守するほか,設置区域,周辺地域の自然,景観及び生活環境に十分に配慮するとともに,事故,公害及び災害(以下「事故等」という。)を防止し,近隣関係者等と良好な関係を保つものとする。
2 事業者は,設置事業の実施に伴い事故等が発生したとき,又は近隣関係者等と紛争が生じたときは,自己の責任において誠意をもってこれを解決し,再発防止のための措置を講ずるものとする。
(指導及び助言)
第8条 市長は,この告示の目的を達成するため必要があると認めるときは,事業者に対し,設置事業の施工について必要な指導及び助言を行うものとする。
(協議完了の通知)
第9条 市長は,第5条の協議が完了したときは,当該事業者に対し,届出受理の通知を行うものとする。
(中止届)
第10条 事業者は,設置事業を取りやめるときは,速やかに再生可能エネルギー発電設備設置事業中止届出書(第5号様式)を市長に提出するものとする。
2 事業者は,樹木の伐採,切土,盛土,舗装その他土地の形質の変更を行っていたときは,その土地について,原状復帰に努めるなど,適切な措置をとること。
(完了届)
第11条 事業者は,設置事業が完了したときは,速やかに再生可能エネルギー発電設備設置完了届(第6号様式)を市長に提出するものとする。
(発電設備管理基準)
第12条 事業者は,発電設備設置後の管理等について,責任をもって対応し,次に掲げる適切な措置に努めることとする。ただし,他の法令の規定により義務付けられたものがある場合は,当該義務の履行に支障のないよう行うものとする。
(1) 管理看板の設置 発電設備又はその周辺において緊急事態が発生した場合等,事業者に連絡を取ることができるよう,発電設備の名称,設置場所の所在地,発電設備の発電出力,事業者の名称及び連絡先その他必要な事項を記載した管理看板を敷地外から確認できる場所に設置すること。
(2) 敷地内への立入防止 事業者は,発電設備の敷地内に事業関係者以外の者が容易に立ち入ることのないよう,フェンスを設置するなどの安全対策をとること。
(3) 発電設備敷地内の除草及び清掃 発電設備の敷地内は,環境負荷に考慮した除草及び清掃を定期的に行うこと。
(4) 発電設備が破損した場合の対応 自然災害その他の事由により発電設備が破損した場合,事業者は被害を最小限に留める措置を講じ,速やかに復旧又は撤去すること。
(5) 発電設備を撤去する場合の対応 発電設備を撤去する場合は,関連法令に基づいて,速やかに適正な処理を行うこと。
(6) 事故等が発生した場合の対応 自然災害,事故,機器の故障等が発生した場合に速やかに対応できるよう,緊急時の連絡網や事象別の対応を示した緊急対応マニュアルを作成すること。
(廃止届)
第13条 事業者は,発電設備を廃止したときは,速やかに再生可能エネルギー発電設備設置廃止届出書(第7号様式)を市長に提出するものとする。
2 事業者は,当該発電設備の跡地について,原状復帰に努めるなど,適切な措置をとること。
(譲渡届)
第14条 事業者は,発電設備を譲渡したときは,速やかに再生可能エネルギー発電設備譲渡届出書(第8号様式)を市長に提出するものとする。
2 発電設備を譲渡された事業者は,第12条の発電設備管理基準について,責任をもって対応し,適切な措置に努めること。
(その他)
第15条 この告示に定めるもののほか,必要な事項は,市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この告示は,平成30年1月1日(以下「施行日」という。)から施行し,平成30年2月1日以後に設置事業に着手する発電設備(以下「対象発電設備」という。)から適用する。
(経過措置)
2 施行日において,対象発電設備の設置事業に着手する日までの期間が60日未満となる事業者は,第5条第1項の規定にかかわらず,設置事業に着手する日の20日前までに再生可能エネルギー発電設備事業計画書を市長に提出し,協議するものとする。
附則(平成30年11月21日告示第97号)
この告示は,平成30年11月21日から施行する。
別表(第6条関係)
行為の区分 | 発電設備設置基準 |
発電設備設置事業全般 | 1 国立公園内及び主要な眺望景観を阻害することのないよう,発電設備の設置位置や色彩に配慮すること。 2 海岸,河川,湖沼等及びその周辺の水辺空間の景観を阻害することのないよう,発電設備の設置位置や色彩に配慮すること。 3 色彩については,周囲の景観と調和を考慮し,「霧島屋久国立公園錦江湾地域管理計画書(平成18年9月5日 九州地方環境事務所)」を参考にして,低明度及び低彩度のものを使用すること。 4 希少野生動植物の個体及び生息・生育環境の保全に努めること。 5 水資源の保護に努めること。 6 住宅地に近接する場所に発電設備を設置する場合は,電波障害,圧迫感,騒音,悪臭,熱,反射,強風等に配慮した上で,必要な対策を実施することや,敷地境界から後退させ,植栽等を設けて遮蔽するなどの対策をとること。 7 道路に接する場所に発電設備を設置する場合は,道路の見通しを妨げることのないよう敷地境界から後退させるなどの対策をとること。 8 急傾斜地及びその周辺への設置は,災害防止の観点から極力避けること。 9 土地の形質変更は,最小限に留めること。 10 雨水を敷地内で処理できる対策をとること。 11 接続先排水路等の管理者と協議を行い,同意を得ること。 12 土砂の流出を防止する対策をとること。 13 立木等を伐採する場合は,自然環境に配慮し必要最小限に留め,植生の保護に努めること。 14 前各号に掲げるもののほか当該設置事業の施工に関し必要な措置が適切に図られていること。 |
太陽光発電設備 | 1 太陽光発電設備は,低反射で有害物質を含有しないものを使用すること。 2 太陽光発電設備の最上部は,できるだけ低くし,周囲の景観から突出しないようにすること。 3 主要な眺望点や沿線等で周囲の景観へ影響があるものは,敷地境界からできるだけ後退し,必要に応じ植栽等により修景を施すこと。 4 感電や土壌汚染などの事故が発生しないよう,事前に必要な予防措置を行うこと。 |
風力発電設備 | 1 風力発電設備の最上部は,できるだけ低くし,周囲の景観に配慮すること。 2 風力発電施設から発生する騒音については,「風力発電所から発生する騒音に関する指針について(平成29年5月26日 環水大大第1705261号)」に定められた騒音レベルの指針値を超えないこと。また,指針値を超えない場合であっても,可能な限り騒音を小さくすること。 |
水力発電設備 | 1 水利関係者との調整を行うこと。 2 ダムや護岸工事等による自然及び生活環境への影響を与えないよう配慮すること。 |
バイオマス発電設備 | 1 バイオマス燃料に起因する悪臭や害虫の発生等による自然及び生活環境への影響を与えないよう配慮すること。 |