○指宿市老人(在宅)介護支援センター運営事業実施要綱
平成22年3月31日
告示第40号
(目的)
第1条 老人(在宅)介護支援センター(以下「在宅介護支援センター」という。)の運営は,地域の老人の福祉に関する各般の問題につき,在宅の要援護高齢者若しくは要援護となるおそれのある高齢者又はその家族等からの相談に応じ,在宅の要援護高齢者若しくは要援護となるおそれのある高齢者又はその家族等の介護等に関するニーズに対応した各種の保健,福祉サービス(介護保険によるサービスを含む。)が,総合的に受けられるように関係行政機関,サービス実施機関及び居宅介護支援事業所等との連絡調整等の便宜を供与し,もって,地域の要援護高齢者及び要援護となるおそれのある高齢者並びにその家族等の福祉の向上を図ることを目的とする。
(実施主体)
第2条 この事業の実施主体は,指宿市とする。ただし,事業の運営を,適切な事業運営が確保できると認められる社会福祉法人,医療法人(地域医師会を含む。以下同じ。)又は民間事業者等に委託することができるものとする。
(利用対象者)
第3条 この事業の対象者は,市内に住所を有するおおむね65歳以上の要援護高齢者及び要援護となるおそれのある高齢者(以下「要援護高齢者等」という。)並びにその家族及び親族(以下「家族等」という。)とする。
(1) 地域の要援護高齢者等の心身の状況及びその家族等の状況等の実態を把握するとともに,介護ニーズ等の評価を行うこと。ただし,これらが既に居宅介護支援事業所や地域包括支援センターによって行われている要援護高齢者等であって在宅介護支援センター自らが実態把握,ニーズ評価等を行う必要がない場合には,居宅介護支援事業所等から必要な情報を得ることで差し支えない。
(2) 市の公的保健福祉サービス,介護保険制度等の円滑な適用に資するため,要援護高齢者等及びその家族等(原則として担当区域内の者に限る。)に関する基礎的事項,支援・サービス計画の内容及び実施状況,サービス利用意向及び今後の課題等を記載した台帳(以下「サービス基本台帳」という。)を整備すること。ただし,これらが既に居宅介護支援事業所や地域包括支援センターによって行われている要援護高齢者等であって在宅介護支援センター自らが実態把握,ニーズ評価等を行う必要がない場合には,居宅介護支援事業所等から必要な情報を得ることで差し支えない。
(3) 要介護状態になる危険因子の高い者に対して,できる限り寝たきり等の要介護状態にならないための適切な介護予防サービス等を利用できるように支援すること。
(4) 各種の保健福祉サービス及び介護保険サービスの存在,利用方法等に関する情報の提供並びにその積極的な利用についての啓発を行うこと。
(5) 在宅介護等に関する各種の相談に対し,電話相談,面接相談等により,総合的に応じること。
(6) 要援護高齢者等の家族等からの相談や在宅介護相談協力員(以下「相談協力員」という。)からの連絡を受けた場合,これらの者に対し,訪問等により在宅介護の方法等についての指導,助言を行うこと。
(7) 高齢者の地域における自立した生活を支援するため,転倒骨折予防教室や認知症介護教室等を開催するとともに,必要なサービス等の利用(例えば,家族介護者に対するサービスや介護保険制度の福祉用具・住宅改修等)に関する相談に応じ,助言を行うこと。
(8) 介護サービスのほか,各種の保健・福祉サービス,地域住民によるボランティア活動等の各サービスの内容や特徴,場所等を盛り込んだ地域密着型のサービス情報マップを作成し,地域の高齢者や介護支援専門員等に配布すること。また,介護サービスの利用者及び事業者に対し,契約の手続や留意点等について周知するとともに,契約に関する相談に応じること等により,介護サービスに係る適正な契約の普及を図ること。
(9) 地域の要援護高齢者等又はその家族等の保健福祉サービスの利用申請手続の受付,代行(市への申請書の提出)等の便宜を図るなど,利用者の立場に立って保健福祉サービスの適用の調整を行うこと。
(10) 在宅介護支援センターと地域包括支援センターの職員,居宅介護支援事業所の介護支援専門員,相談協力員との情報交換及び相談協力員相互の情報交換の場の提供等の必要な支援並びに相談協力員との日常的な連絡調整を行うこと。
(11) 居宅介護支援事業所の介護支援専門員よりソーシャルワーク援助の依頼があった場合に,これに応じるよう努めること。
(12) 地域包括支援センターのブランチ(住民の利便性を考慮し,地域の住民から相談を受け付け,集約した上で,地域包括支援センターにつなぐための「窓口」)の設置及び業務の協力に関する事業を行うこと。
(事業の実施)
第5条 在宅介護支援センターは,特別養護老人ホーム,介護老人保健施設,病院等(以下「特別養護老人ホーム等」という。)に併設しているか,又は,特別養護老人ホーム等による後方支援体制が地域の実情に応じて確保されていることを原則とする。
2 在宅介護支援センターは,夜間等の緊急の相談等に備え,あらかじめ,必要な関係機関との連絡方法,緊急時の公的サービスの利用に伴う利用申請手続等の取扱いなどの対応手順を,在宅介護支援センターに併設されるか,又は,後方支援体制を確保している特別養護老人ホーム等(以下「併設施設等」という。)及び消防署等の関係機関と協議の上,定めるものとする。
3 在宅介護支援センターは,事業の実施に当たって,年間の事業計画を定めるとともに,月間の事業計画を定め,前条に定めた事業を計画的に実施するものとする。
4 在宅介護支援センターは,相談を受けた場合等は,速やかに必要な活動を展開するものとする。
5 在宅介護支援センターは,サービス基本台帳を適切に管理し,継続的支援,適正なサービスの実施を図るものとする。
6 在宅介護支援センターの業務については,フレックスタイム制の勤務体制を組むなど,住民の利用度の高い時間に対応できる運営体制を採るものとする。
7 併設施設等は,緊急時において当該施設で実施する在宅サービス等の利用が可能となるよう体制を確保しておくものとする。
(平31告示27・一部改正)
(在宅介護支援センター及び併設施設等の要件)
第6条 在宅介護支援センターに係る要件は次に掲げるとおりとする。
(1) 在宅介護支援センターは,運営を予定している社会福祉法人,医療法人又は民間事業者等が設置すること。
(2) 事業の適正な運営を確保できる職員の配置を行うこと。特に,運営する法人又は併設施設等が新設である場合には,配置職員について,事前に十分な研修等を行い,業務遂行能力を確保すること。
(3) 相談や福祉用具の展示に必要な空間を確保すること。
(4) 在宅保健福祉サービスの適用機関である市,地域包括支援センターをはじめ,保健,福祉,医療の各分野の関係機関,団体との連携体制を整備すること。
2 併設施設等に係る要件は次に掲げるとおりとする。
(1) 市をはじめ民生委員,社会福祉協議会,保健医療福祉関係者,ボランティア等との協力連携関係が得られること。
(2) 特別養護老人ホームの場合は,短期入所生活介護及び通所介護を実施していることを原則とすることとし,介護老人保健施設,病院等の場合は,通所リハビリテーションを実施していることを原則とする。
(3) 特別養護老人ホームの場合は,訪問介護の県知事指定を受けているか,又は近い将来指定を受ける予定があることを原則とすることとし,病院等の場合は,訪問看護若しくは老人訪問看護の県知事指定を受けているか,又は近い将来指定を受ける予定があることを原則とする。
(4) 在宅の要介護高齢者の介護者に対し,介護に関する研修や啓発のための事業を実施すること。
(5) これらの事業の利用者のサービスに必要な情報の記録,管理及び活用が適切に行われること。
(6) 市の在宅サービスの適用申請の経由機関となり得ること。
(平31告示27・一部改正)
(職員の配置等)
第7条 この事業を行うに当たっては,あらかじめ,在宅介護支援センターの管理責任者を定めるとともに,社会福祉士等のソーシャルワーカー,保健師,看護師,准看護師,介護福祉士又は介護支援専門員のいずれか1人を職員として配置するものとする。ただし,在宅介護支援センターの業務に支障のない範囲において,職員が他の業務と兼務することは差し支えない。
2 職員2人以上を配置する場合には,福祉関係職種と保健医療関係職種を組み合わせて設置するよう努めるものとする。
3 在宅介護支援センターの職員は,利用者及び利用世帯のプライバシーの尊重に万全を期すものとし,正当な理由がなく,その業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
4 在宅介護支援センターの職員は,本事業の果たすべき役割の重要性に鑑み,各種研修会及び異職種との交流等あらゆる機会をとらえ,サービス基本台帳の作成,個別サービス計画の策定及びソーシャルワーク等の技術等に関し自己研鑚に努めるものとする。
(平31告示27・一部改正)
(相談協力員の配置及び業務内容)
第8条 在宅介護支援センターは,活動対象地域のおおむね65歳以上の人口を考慮し,地域の実情を踏まえ,相談協力員を在宅介護支援センターに配置するよう努めるものとする。
2 相談協力員は,民生委員,老人クラブ,自治会等地域活動団体の役員はもとより,介護する家族等と接触する機会が多い地元商店,薬局,郵便局等の中から依頼するものとする。
3 相談協力員は,在宅介護支援センターの円滑な運営に資するため,在宅介護支援センターと連携して,次の各号に掲げる業務を行うものとする。
(1) 地域の要援護高齢者等に対する保健福祉サービス及び在宅介護支援センターの紹介等を行うこと。
(2) 様々な機会をとらえての各種の保健福祉サービスの広報及びその積極的活用についての啓発を行うこと。
(事業実施上の留意事項)
第9条 在宅介護支援センターは,本事業の実施に当たり,地域包括支援センターと連携協力の下に実施するよう留意しなければならない。
2 在宅介護支援センターは,本事業の実施に当たっては,利用者及び利用世帯のプライバシーの保護が図られるよう留意すること。
3 在宅介護支援センターは,本事業の趣旨に鑑み,市の民生部門,保健衛生部門との協力連携関係を構築しておかなければならない。
4 在宅介護支援センターは,夜間等の緊急相談に対応するため,消防署,医療機関等関係機関の協力が得られるよう,協力体制を構築していくよう努めるものとする。
5 在宅介護支援センターは,職員の資質の向上を図るため,定期的に研修の機会を設けるなど必要な取組を図るものとする。
6 在宅介護支援センターは,本事業の実施に当たり,特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人が行う場合,保健医療関係分野との連携に,また,介護老人保健施設等を経営する医療法人等が行う場合,福祉関係分野との連携に留意するものとする。
7 在宅介護支援センターは,本事業の適正かつ積極的な運営を確保するため,年1回以上定期的な事業実施状況を公表するとともに,その内容を市に報告するものとする。
8 実施施設は,この事業に係る経理と他の事業に係る経理とを明確に区分するものとする。
9 在宅介護支援センターは,24時間を通じて,併設施設等との連携により,緊急の相談に対しても適切な助言,関係機関等への連絡等の対応が図られるように努めるものとする。
(平31告示27・一部改正)
(利用料)
第10条 利用料は,原則として無料とする。
(在宅介護支援センターの構造及び設備)
第11条 建物は,耐火建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第9号の2に規定する耐火建築物をいう。)又は準耐火建築物(同条第9号の3に規定する準耐火建築物をいう。)とする。ただし,特別養護老人ホーム等に併設しないものについては,この限りでない。
2 在宅介護支援センターには,運営に必要な面積を有する事務室,相談室,会議室及び福祉用具の展示に必要な空間(特別養護老人ホーム等に併設しないものにあっては事務室及び相談室に限る。)を設けるものとする。ただし,他の社会福祉施設等と設備の一部を共有すること等により,併設する施設の入所者のサービス提供及び当該施設の運営上支障が生じないときは,この限りでない。
3 建物の配置,構造及び設備は,日照,採光,換気等利用者の保健衛生及び防災について十分配慮するものとする。
(その他)
第12条 この告示に定めるもののほか,この事業に関し必要な事項は,市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この告示は,平成22年4月1日から施行する。
(指宿市在宅介護支援センター運営事業実施要綱の廃止)
2 指宿市在宅介護支援センター運営事業実施要綱(平成18年指宿市告示第24号)は,廃止する。
(経過措置)
3 この告示の施行の日の前日までに,指宿市在宅介護支援センター運営事業実施要綱(平成18年指宿市告示第24号)の規定によりなされた処分,手続その他の行為は,それぞれこの告示の相当規定によりなされたものとみなす。
附則(平成31年3月27日告示第27号)
この告示は,平成31年4月1日から施行する。