○指宿市職員等からの公益通報に関する規程
令和6年1月22日
訓令第2号
(目的)
第1条 この訓令は,公益通報者保護法(平成16年法律第122号。以下「法」という。)第11条第2項の規定に基づき,市職員等からの法令違反行為等に関する通報及び相談(以下「通報等」という。)を適切に取り扱うため,これらの通報等への対応手続に関する事項を定めることにより,通報者の保護を図るとともに,公正な市政の運営に資することを目的とする。
ア 本市職員(以下「職員」という。)
イ 本市から事務事業を受託し,又は請け負った事業者の役員及びその事務事業に従事している者
ウ 指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。)の役員及びその管理する公の施設の管理業務に従事している者
(2) 法令違反行為等 法令(法律,法律による命令,条例,規則及びその他の規程を含む。以下同じ。)に違反する行為及びその他不適正な行為をいう。
(3) 被通報者 その者が法令違反行為等を行った,行っている又は行おうとしているとして通報された者をいう。
(総括通報等責任者)
第3条 市職員等からの通報等への対応に関する事務を総括するため,総括通報等責任者を置くこととし,副市長をもって充てる。
2 総括通報等責任者は,通報等への対応に関する研修の実施,通報等に関する調査の進捗等の管理,通報等を理由とする不利益な取扱いの防止及びその他通報等への適切な対応の確保に関する業務を総括するものとする。
(通報等窓口)
第4条 通報等を受付けるため,人事秘書課に通報等窓口を設置するとともに,通報等窓口に通報等を受け付ける通報等窓口担当者を置き,総括通報等責任者がこれを統括する。
2 通報等窓口は,次に掲げる業務を取り扱うものとする。
(1) 市及び職員による法令違反行為等に関する市職員等からの通報等の受付に関すること。
(2) 通報等への対応についての意見又は苦情の受付に関すること。
(3) 通報等をした市職員等(以下「通報者」という。)との連絡調整に関すること。
(令6訓令4の1・一部改正)
(通報等)
第5条 市職員等は,通報等窓口に対し,次の各号に定める事項を,書面,電話,電子メール,グループウェア,FAX又は面談の方法により知らせることで,通報等をすることができる。
(1) 法令違反行為等に関する事実の内容
(2) 法令違反行為等が生じ,又はまさに生じようとしていると思料する理由
2 市職員等は,匿名で通報等窓口を利用することができる。
(秘密保持及び個人情報保護の徹底)
第6条 通報等への対応に関与した職員(通報等への対応に付随する職務等を通じて,通報等に関する秘密を知り得た者を含む。以下「関係職員」という。)は,通報等に関する秘密を漏らしてはならない。
2 関係職員は,当該対応手続において知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ,又は不当な目的に利用してはならない。
3 関係職員は,通報等への対応に関する秘密保持及び個人情報保護の徹底を図るため,通報等への対応の各段階(通報等の受付,調査,是正措置及び通報者への結果通知。以下同じ。)及び通報等への対応終了後において,次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 情報の範囲及び情報を共有する範囲を必要最小限にすること。
(2) 通報者の特定につながり得る情報(通報者の氏名,所属等の個人情報のほか,調査が通報等を端緒としたものであること,通報者しか知り得ない情報等を含む。以下同じ。)については,被通報者及びその関係者に対して開示しないこと(通報等の対応を適切に行う上で真に必要な最小限の情報を,次号に規定する同意を取得して開示する場合を除く。)。
(3) 通報者の特定につながり得る情報を,情報共有が許される範囲外に開示する場合には,書面又は電子メールによる通報者の明示の同意を取得すること。
(4) 前号に規定する同意を取得する際には,開示する目的及び情報の範囲並びに当該情報を開示することによって生じ得る不利益について,通報者に対して明確に説明すること。
4 通報等窓口における通報等への対応に際する秘密保持及び個人情報の保護に関しては,前3項に定めるもののほか,個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)及びその他関係法令に従うものとする。
(受付手続)
第7条 通報等窓口は,通報等を受け付けたときは,通報等に関する秘密保持及び個人情報の保護に留意しつつ,通報等への対応に必要な事項を通報者に確認し,通報相談内容記録票(第1号様式)に記録する。ただし,通報者の同意が得られない場合その他確認に支障がある場合は,この限りでない。
(1) 関係職員には秘密保持義務があり,通報者を特定させる事項その他通報等に係る情報の共有は制限されるなど,通報等に関する秘密は保持されること。
(2) 個人情報は保護されること。
(3) 通報受付後の手続の流れに関すること。
3 通報等窓口は,通報等に関する調査を実施するときはその旨を,調査をしない場合はその旨及びその理由を,通報者に対し,通報調査通知書(第2号様式)により,遅滞なく通知する。
(通報等をした者等の探索の禁止)
第8条 市及び市職員等は,通報等をした者等の探索をしてはならない。
2 市長は,前項に違反した職員に対して適切な処分等を課す。
(利益相反関係の排除)
第9条 職員は,自ら当事者となっている案件に関する通報等その他の利益相反関係を有する案件についての通報等への対応に関与してはならない。
2 通報等への対応に関与する者は,通報等への対応の各段階において,相互に当該通報等に利益相反関係を有していないか確認するものとする。
3 通報等への対応に着手しようとする者は,当該案件について自らが利益相反関係を有すると思料するときは,直ちに総括通報等責任者にその旨を報告しなければならない。
5 市長は,第3項に規定する報告をすることなく当該案件に関与した者に対し,処分等を課す。
(職制上の上司への通報等)
第10条 職員は,第5条第1項第1号に掲げる事項について,職制上の上司に対して,通報等をすることができる。
2 前項の通報等を受けた者は,事案の内容等に応じて,自ら事実確認を行い是正する,通報等窓口担当者に法令違反行為等が生じ,又はまさに生じようとしている旨を伝える,自らの上司等に対して当該通報等に係る事実を伝える,通報者の秘密に配慮しつつ調査を担当する部署等に情報共有する等の方法により,調査や是正に必要な措置を速やかに実施するなど,必要な措置を講ずる。
3 職制上の上司への通報等は,次のとおり保護する。
(1) 市及び職員は,通報者に対して,通報等をしたことを理由として,不利益な取扱いを行ってはならない。
(2) 職員は,通報者を特定させる事項を必要最小限度の範囲を超えて共有してはならない。
(3) 職員は,通報者を特定しようとしてはならない。
4 市は,前項に違反する行為が行われた場合,当該違反者に対して適切な処分等を課す。
(不正の目的による通報等の禁止)
第11条 市職員等は,虚偽の通報等,他人を誹謗中傷する目的の通報等その他の不正の目的の通報等をしてはならない。
(調査の実施)
第12条 通報等窓口は,通報等を受理した際は,当該通報等に関する秘密を保持するとともに,個人情報を保護するため,特定されないよう十分に留意しつつ,速やかに必要かつ相当と認められる方法で調査を行うものとする。
2 総括通報等責任者は,調査の方法,内容等の適正を確保するとともに,調査の適切な進捗を図るため,調査について適宜確認を行う等の方法により,通報等の事案を適切に管理しなければならない。
3 通報等窓口は,通報者の連絡先が不明である場合を除いて,適正な業務執行の確保及び利害関係人の秘密,信用,名誉,プライバシー等の保護に支障がある場合を除き,通報者に対し,調査の進捗状況を適宜通知するとともに,調査結果を可及的速やかに取りまとめ,通報調査結果報告書(第3号様式)により,その結果を遅滞なく通知する。
(調査の方法)
第13条 通報事実の調査に当たっては,通報者の連絡先が不明である場合を除いて,通報等窓口は通報者から面談,電話,書面又は電子メールを通じて聴取を行い,通報等の事実の内容に誤りがないか確認するよう努めるものとする。
2 通報等に関して調査又は是正措置を行う必要性がないとして調査を終了する場合には,通報等を受け付けたこと又は調査を実施したことについて被通報者の任命権者等に知らせないものとする。ただし,調査を実施した過程で,既に任命権者等へ聴取を行っている場合を除く。
3 調査の端緒が通報等であることを関係職員以外の市職員等に認識させないよう,通報事案の性質に応じて適切な措置をとるものとする。
(協力義務)
第14条 市職員等は,総括通報等責任者が行う調査に協力する。
2 市職員等は,調査を受ける場合には,これに誠実に応じなければならず,虚偽を述べてはならない。
3 市長は,前2項に違反した職員に対して適切な処分等を課すことができる。
2 前項の是正措置及び再発防止策の要求を受けた者は,速やかに是正措置及び再発防止策をとるものとする。
3 前項の措置をとった場合には,措置を行った者はその内容を速やかに通報等窓口に報告しなければならない。
5 通報等窓口は,是正措置又は再発防止策をとった後,法令違反行為等が再発していないか,是正措置又は再発防止策が十分に機能しているか確認するとともに,必要に応じ,新たな是正措置又は再発防止策をとるものとする。
(通報者の保護)
第16条 市及び市職員等は,通報者に対して,通報等をしたことを理由として,不利益な取扱いを行ってはならない。
2 市及び市職員等は,調査協力者に対して,対象事案に関する調査に協力したことを理由として,不利益な取扱いを行ってはならない。
(損害賠償の制限)
第17条 市長は,通報等窓口に対し不正の利益を得る目的,他人に損害を加える目的その他の不正の目的でなく,通報者に対し,当該通報等によって損害を受けたことを理由として賠償の請求を行わない。
(意見又は苦情への対応)
第18条 通報等窓口は,通報等窓口に対する通報等への対応に関して通報者から意見又は苦情の申出を受けたときは,迅速かつ適切に対応するよう努めるものとする。
(通報等の関連文書の管理)
第19条 通報等への対応に係る記録及び関係資料については,指宿市文書取扱規程(平成18年指宿市訓令第11号)に基づき適切な方法で管理しなければならない。
(法及び制度の周知等)
第20条 総括通報等責任者は,本市における通報等への適切な対応を推進するため,職員に対する広報の実施,定期的な研修,説明会の実施及びその他適切な方法により,法及びこの訓令に基づく通報等の方法,通報等の取扱い及び通報者保護の制度について十分に周知するものとする。
2 総括通報等責任者は,前項の業務を通報等窓口に行わせることができるものとする。
3 通報等窓口は,通報等の方法,通報等の取扱い及び通報者の保護の仕組みについて市職員等から問合せがあった場合には,教示するものとする。
(通報等への対応の評価及び改善)
第21条 本市における通報体制の運用状況等についての透明性を高めるとともに,客観的な評価を行うことを可能とするため,通報・相談窓口は,通報ごとに処理内容等を通報管理台帳(第5号様式)に記録し,各年度の終了後,速やかに公表する。ただし,当該情報を公表することにより,通報等に関する秘密保持,個人情報の保護,適正な業務遂行の確保及び利害関係人の秘密,信用,名誉,プライバシー等の保護に支障が生じる場合においては,個々の通報等の事案ごとに,その全部又は一部を非公表とすることができる。
2 通報等窓口は,通報等の対応の運用状況について,定期的に評価及び点検を行うとともに,他の行政機関による先進的な取組事例等を参考として,通報等の対応の仕組みを継続的に改善するよう努めるものとする。
(処分等の減免)
第22条 市長は,法令違反行為等に関与した職員が自主的に通報等した場合や調査に協力した場合,処分等を減免することができる。
附則
この訓令は,令和6年1月22日から施行する。
附則(令和6年3月29日訓令第4号の1)
この訓令は,令和6年4月1日から施行する。
(令6訓令4の1・一部改正)