○指宿市議会基本条例

平成27年3月26日

条例第22号

目次

前文

第1章 総則(第1条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第2条―第4条)

第3章 議会及び議員の役割,責務等(第5条―第9条)

第4章 議員の政治倫理(第10条)

第5章 市民と議会の関係(第11条・第12条)

第6章 行政と議会の関係(第13条―第15条)

第7章 自由討議の保障(第16条)

第8章 委員会の活動(第17条)

第9章 政務活動費(第18条)

第10章 議会及び議会事務局の体制整備(第19条―第21条)

第11章 議員の身分及び待遇(第22条・第23条)

第12章 最高規範性(第24条)

第13章 見直し手続(第25条)

附則

平成18年1月1日,旧指宿市,旧山川町及び旧開聞町の合併により,「豊かな資源が織りなす食と健康のまち」を将来都市像とする指宿市が誕生し,同年2月12日に行われた選挙により選出された議員によって「指宿市議会」が発足した。

指宿市議会(以下「議会」という。)は,市長及び議会の二元代表制の下,地方公共団体の事務執行の監視機能及び議決機能を十分発揮しながら,日本国憲法に定める地方自治の本旨の実現を目指すものである。

地方分権の時代にあって,自治体の自主的な決定と責任の範囲が拡大する中,議会が市民の代表機関として,地域における民主主義の発展と市民福祉の向上に果たす役割は,ますます大きくなっている。

よって,ここに議会の公正性及び透明性を確保することにより,市民に開かれた議会の実現及び議会への市民参加を推進するため,指宿市議会基本条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は,議会が担う役割を果たすための基本的事項を定めることにより,市民の負託に応えるとともに,議会活動の活性化を図り,開かれた議会を実現することを目的とする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第2条 議会は,次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 公正性,透明性及び独自性を確保し,市民に開かれた議会とすること。

(2) 市民の多様な意見を的確に把握し,市政に反映させること。

(3) 市民にとって分かりやすい言葉を用いた説明に努めること。

(4) 議会の申合せ事項は,不断に見直しを行うこと。

(5) 市民の傍聴の意欲を高めるような議会の運営を行うこと。

(議員の活動原則)

第3条 議員は,次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを認識し,議員相互間の自由な討議の推進を重んじること。

(2) 市政の課題全般について,市民の意見を的確に把握するとともに,自己の能力を高める不断の研さんによって,市民の代表にふさわしい活動を行うこと。

(3) 一部の団体及び地域の代表としてだけでなく,市民全体の福祉の向上を目指して活動すること。

(4) 議会を代表して委員会,協議会,組合議会その他の会合に出席したときは,文書により報告し,申出に応じて,その内容を議員懇談会で説明すること。

(会派)

第4条 議員は,政治上の主義及び主張を同じくする複数の議員で,調査研究,政策立案等を目的とする団体として会派を結成することができる。

第3章 議会及び議員の役割,責務等

(議会の役割)

第5条 議会は,第2条に規定する活動原則に基づき,次の役割を担うものとする。

(1) 市の施策が適正かつ効率的に実施されているかを市民の立場に立って監視及び評価すること。

(2) 市民の多様な意見を市政に反映させるための政策立案,提言等を積極的に行うこと。

(3) 専門的事項に係る調査研究を行い,政策立案機能の充実及び強化に努めること。

(4) 議会に関する条例,規則その他規程を遵守するとともに,議会運営に関する申合せ事項を尊重し,信頼性のある議会運営に努めること。

(議員の役割)

第6条 議員は,第3条に規定する活動原則に基づき,次に掲げる役割を担うものとする。

(1) 地域の課題のみならず,多様な市政の課題と市民の意向を的確に把握し,市民全体の福祉向上を目指すこと。

(2) 政策立案及び政策提言能力向上のため,研修及び調査研究に努めること。

(3) 様々な手段や媒体を通じ,市民への情報発信に努めること。

(4) 地方分権時代における議員の在り方について調査研究に努めること。

(議会の責務)

第7条 議会は,市の施策に対する意思決定を行う議決機関として,適切な判断と責任ある活動を行わなければならない。

(議長の責務)

第8条 議長は,議会を代表し,中立公正な職務遂行に努めるとともに,民主的かつ効率的な議会運営を行わなければならない。

(議員の責務)

第9条 議員は,市民の負託を受けて議員に選出されたことを自覚し,議員として必要な資質の向上に努めるとともに,誠実かつ公正な職務の遂行に努めなければならない。

第4章 議員の政治倫理

(議員の政治倫理)

第10条 議員は,市民全体の代表者として,議員としての職務に専念し,その倫理性を常に自覚して,自己の地位に基づく影響力を不正に行使することによって市民の疑惑を招くことのないよう行動しなければならない。

第5章 市民と議会の関係

(市民参加及び市民との連携)

第11条 議会は,その活動に関する情報公開を徹底するとともに,市民に対する説明責任を果たさなければならない。

2 議会は,委員会の運営に当たり,公聴会制度及び参考人制度を活用して,市民の意見等を議会の審議に反映させるよう努めるものとする。

3 議会は,請願及び陳情を市民による政策提案と位置付けるとともに,その審議においては,これらの提案者の意見を聴く機会を設けることができる。

4 議会は,市民との意見交換の機会を設けることにより,議会及び議員の政策提案機能の強化及び拡大を図るものとする。

(議会報告会)

第12条 議会は,市政の諸課題に柔軟に対処するため,市政全般にわたって,議員及び市民が自由に情報及び意見を交換する議会報告会を行うものとする。

第6章 行政と議会の関係

(市長等との関係)

第13条 議会は,市長その他の執行機関及びその補助職員(以下「市長等」という。)と常に緊張ある関係を保持し,事務執行の監視及び評価を行うものとする。

2 議長から本会議又は委員会に出席を要請された市長等は,議長又は委員長の許可を得て,議員からの質問等に対してより論点・争点を明確にするため,反問することができる。

(市長等に対する施策等の説明要求)

第14条 議会は,市の基本構想並びに市民生活に影響を及ぼすことが予想される施策及び事業(以下「施策等」という。)について,市長等に対し,その施策等の形成過程等を明らかにするため,次に掲げる事項について説明を求めることができる。

(1) 施策等の根拠

(2) 提案に至るまでの経緯

(3) 他の地方公共団体における類似する施策等との比較検討

(4) 施策等への市民参加の実施の有無とその内容

(5) 市の総合計画との整合性

(6) 財源措置

(7) 将来にわたるコスト計算

(8) 前各号に掲げるもののほか,議会が必要と認める事項

(予算及び決算の審議における説明要求)

第15条 議会は,予算及び決算の審議に当たっては,前条の規定に準じて,市長等に対し,施策等に係る政策に関する説明を求めることができる。

第7章 自由討議の保障

(議員間討議)

第16条 議員は,議会の権限を発揮するため,委員会において,積極的に議員相互間の討議に努めなければならない。

第8章 委員会の活動

(委員会の活動等)

第17条 委員会は,その所管に属する事項について調査又は審査を行うときは,専門的な視点から効率的かつ効果的な審議を行うよう努めなければならない。

2 委員会は,その所管に属する事務に関する調査のための活動を積極的に行うものとする。

3 委員会の委員長は,委員会の議事の整理及び秩序の保持について,その責務を果たさなければならない。委員長の職務を代行する場合の副委員長についても,同様とする。

第9章 政務活動費

(政務活動費の執行等)

第18条 政務活動費は,議員による政策研究,政策提言等が確実に実行されるよう,指宿市議会政務活動費の交付に関する条例(平成18年指宿市条例第5号)に基づき,議員に対して交付するものとする。

2 政務活動費の交付を受けた議員は,公正性,透明性等の観点に加え,その支出根拠が議会の議決事項である予算に依拠することから,市民等から疑義が生じないよう,議長に対して証票類を添付した報告書を提出するとともに,常に市民に対し説明責任を負うものとする。

第10章 議会及び議会事務局の体制整備

(議員研修及び調査研究の充実)

第19条 議会は,議員の政策立案及び政策提言能力の向上等を図るため,議員に対する研修の充実を図るものとする。

2 議会は,前項の研修に当たり,各分野の専門家等による研修会を開催することができるものとする。

3 議会は,他の自治体の議会との連携等を通じて,地方分権時代にふさわしい議会の在り方について調査研究を必要に応じて行うものとする。

4 議会は,議員の調査研究に資するため,議会図書室の充実に努めるものとする。

(議会事務局の体制整備)

第20条 議会は,議会及び議員の政策形成,立案機能の向上等を図るため,議会事務局の調査及び法制機能の充実を図るものとする。

(広報広聴活動の充実)

第21条 議会は,議会の活動及び市政に係る重要な情報を,議会独自の視点から,市民に対して,周知するよう努めるものとする。

2 議会は,多様な手段を活用することにより,多くの市民が議会と市政に関心を持つよう議会の広報広聴活動の充実に努めるものとする。

第11章 議員の身分及び待遇

(議員定数)

第22条 議員定数は,指宿市議会議員定数条例(平成21年指宿市条例第25号)で定める。

2 議会は,前項の定数を改めるに当たっては,行財政改革の視点だけでなく,市政の現状及び課題並びに将来の予測及び展望を十分に考慮するとともに,広く市民の意見を聴取するものとする。

(議員報酬)

第23条 議会は,議員報酬の改定に当たっては,指宿市特別職報酬等審議会条例(平成18年指宿市条例第38号)に規定する指宿市特別職報酬等審議会の意見を尊重するとともに,議会の意見を反映し,その報酬の額が,議員の職務及び職責にふさわしいものとなるよう努めるものとする。

2 議員が議員活動を引き続き長期間休止したときは,指宿市議会議員の議員報酬等の特例に関する条例(令和5年指宿市条例第20号)の定めるところにより,議員報酬を減額して支給するものとする。

(令5条例20・一部改正)

第12章 最高規範性

(最高規範性)

第24条 この条例は,議会の運営における最高規範であって,議会は,この条例の趣旨に反する議会に関する条例,規則その他規程を制定してはならない。

第13章 見直し手続

(見直し手続)

第25条 議会は,この条例の施行後,社会情勢の変化,市民の意見等を勘案し,必要があると認めるときは,この条例の規定について検討を加え,その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

この条例は,平成27年4月1日から施行する。

(令和5年6月28日条例第20号)

(施行期日)

1 この条例は,公布の日から施行する。

指宿市議会基本条例

平成27年3月26日 条例第22号

(令和5年6月28日施行)

体系情報
第2編
沿革情報
平成27年3月26日 条例第22号
令和5年6月28日 条例第20号