帯状疱疹予防接種
更新日 2025年04月30日令和7年4月から帯状疱疹が予防接種法上のB類疾病に位置付けられ、定期接種として実施されます。
1.帯状疱疹について
帯状疱疹は、過去に水痘にかかった時に体の中に潜伏した水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化することにより、神経支配領域に沿って、典型的には体の左右どちらかに帯状に、時に痛みを伴う水疱が出現する病気です。合併症の一つに皮膚の症状が治った後にも痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」があり、日常生活に支障をきたすこともあります。
帯状疱疹は、70歳代で発症する方が最も多くなっています。
2.帯状疱疹ワクチンについて
帯状疱疹ワクチンには、生ワクチンと組換えワクチンの2種類があります。いずれのワクチンも、帯状疱疹やその合併症に対する予防効果が認められています。
生ワクチン | 組換えワクチン | |
接種回数(接種方法) | 1回(皮下に接種) | 2回(筋肉内に接種) |
接種スケジュール | ― | 通常、2か月以上の間隔を置いて2回接種 ※病気や治療により、免疫の機能が低下したまたは低下する可能性がある方等は、医師が早期の接種が必要と判断した場合、接種間隔を1か月まで短縮できます。 |
接種できない方 | 病気や治療によって、免疫が低下し ている方は接種出来ません。 | 免疫の状態に関わらず接種可能です。 |
接種に注意が必要な方 | 輸血やガンマグロブリンの注射を受けた方は治療後3か月以上、大量ガンマグロブリン療法を受けた方は治療後6か月以上置いて接種してください。 | 筋肉内に接種をするため、血小板減少症や凝固障害を有する方、抗凝固療法を実施されている方は注意が必要です。 |
●ワクチンの効果
生ワクチン | 組換えワクチン | ||
帯状疱疹に対するワクチンの効果 (報告) |
接種後1年時点 | 6割程度の予防効果 | 9割以上の予防効果 |
接種後5年時点 | 4割程度の予防効果 | 9割程度の予防効果 | |
接種後10年時点 | ― | 7割程度の予防効果 |
※合併症の一つである、帯状疱疹後神経痛に対するワクチンの効果は、接種後3年時点で、生ワクチンは6割程度、組換えワクチンは9割以上と報告されています。
●ワクチンの安全性
ワクチンの接種後に以下のような副反応がみられることがあります。
接種後に気になる症状を認めた場合は、接種した医療機関へお問い合わせください。
主な副反応の発現割合 | 生ワクチン | 組換えワクチン |
70%以上 | ― | 注射部位の疼痛 |
30%以上 | 注射部位の発赤 | 注射部位の発赤、筋肉痛、疲労 |
10%以上 | 注射部位のそう痒感・熱感・腫れ・疼痛・硬結 | 頭痛、注射部位の腫れ、悪寒、発熱、胃腸症状 |
1%以上 | 発疹、倦怠感 | 注射部位のそう痒感、倦怠感、その他の疼痛 |
頻度不明 | アナフィラキシー、血小板減少性紫斑病、無菌性髄膜炎 | ショック、アナフィラキシー |
●他のワクチンとの同時接種・接種間隔
いずれの帯状疱疹ワクチンについても、医師が特に必要と認めた場合は、インフルエンザワクチンや新型コロナワクチン、高齢者肺炎球菌ワクチン等の他のワクチンと同時接種が可能です。
ただし、生ワクチンについては、他の生ワクチンと27日以上の間隔を置いて接種してください。
3.定期接種対象者について
接種対象者は,次の方となります。
(1)65歳の方(令和8年4月1日現在)
(2)60歳以上65歳未満の方のうち、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり日常生活がほとんど不可能な方
(身体障害者手帳1級)
(3)70・75・80・85・90・95・100歳以上となる方(令和8年4月1日現在)(※令和7~11年度までの経過措置)
令和7年度の対象者
65歳 | 昭和35年4月2日~昭和36年4月1日生まれの方 |
70歳 | 昭和30年4月2日~昭和31年4月1日生まれの方 |
75歳 | 昭和25年4月2日~昭和26年4月1日生まれの方 |
80歳 | 昭和20年4月2日~昭和21年4月1日生まれの方 |
85歳 | 昭和15年4月2日~昭和16年4月1日生まれの方 |
90歳 | 昭和10年4月2日~昭和11年4月1日生まれの方 |
95歳 | 昭和 5年4月2日~昭和 6年4月1日生まれの方 |
100歳以上 | 大正15年4月1日以前にお生まれの方(令和7年度に限り全員対象) |
※対象者の方には、令和7年4月末に予診票を送付します。
4.実施医療機関
※医療機関により接種可能な曜日や時間帯が異なります。
ワクチンの準備もありますので、電話予約をしてください。
5.予防接種を受ける前に
(1)必ず医療機関に予約をしてください
(2)体調のよい日に接種してください
(3)予診票に同封されている説明資料をよく読み、必要性や副反応について理解したうえで接種をしてください
(4)接種できない方
ア.当日、明らかに発熱のある方
イ.重篤な急性疾患に罹っている方
ウ.予防接種によりアナフィラキシーを起こしたことのある方
※アナフィラキシー:接種後30分以内に現れる急性の全身アレルギー反応のことです
エ.その他、医師が不適当な状態と判断した方
(5)担当医師とよく相談しなくてはならない方
ア.心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患等の基礎疾患を有する方
イ.予防接種を受けて 2 日以内に発熱や全身の発疹などのアレルギー症状があった方
ウ.けいれんを起こしたことがある方
エ.免疫不全と診断されている方や近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
オ.帯状疱疹ワクチンの成分に対してアレルギーを起こすおそれのある方
6.予防接種を受けた後の注意
ワクチン接種後30分は程度は、安静にしましょう。また、体調に異常を感じた場合は、速やかに医師へ連絡してください。
注射した部分は清潔に保ちましょう。接種当日の入浴は問題ありません。
接種当日の激しい運動は控えるようにしてください。
7.予防接種健康被害救済制度について
予防接種は、感染症を予防するために重要なものですが、健康被害が起こることがあります。極めてまれではあるものの、副反応による健康被害をなくすことはできないことから、救済制度が設けられています。ただし、その健康被害が予防接種によって引き起こされたものかの因果関係を、国の審査会にて審査し、予防接種によるものと認定された場合に限ります。
お問い合わせ先
○ 市民福祉部 健康増進課 地域保健係 電話 0993-22-2111(内線2283)
○ 山川支所 市民福祉課 健康福祉係 電話 0993-34-1113(直通)
○ 開聞支所 市民福祉課 健康福祉係 電話 0993-32-3111(内線4121)