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指宿_神話紙芝居_「要らん」はず

更新日 2020年04月16日

「要らん」はず

若い衆がナ、「あっこ(お前)は、おいゲェ(俺の家へ)〔お嫁に〕むかれっ(むかわれて)来んか?」チ、ゆたチ。 「何じゃい要らんで、身体いっぽん〔で〕来れば良カが」ちゅて。

そして、行たや、あくる日は、いっき(すぐに)ヒン戻って、 はっ去たチ。

そしたや、「ワイは、何ごて、ヒッ戻って来たか?」チ、言たや、「おじさんナ、夕べは何じゃいいらんチゆたが 入ったヨ、ハラ!」チ、言たチ。

「馬鹿ィつくっ薬がなか!」ちゅたや、「夕べは、つばをつけやったド!」ちゅたチ。 こんだ、火吹き竹ュバ持って、(女の)びんたを叩っチしたや、「がっつい、そいほデばっかいあった。そいほデばっかいあった。」ちゅて逃げたチ。

〔話者 木之下金蔵氏(明治三十八年十月ハ日生)〕