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指宿市とオクラとIPM栽培

更新日 2023年05月17日

指宿市とオクラとIPM栽培

1.指宿市とオクラ

指宿市はオクラの生産量日本一

農家マン1.png

作付面積は、約360haで、指宿市営陸上競技場(26,750m2)の約135個分。

生産量は約4,100tです。

皆さんのご家庭の食卓にも指宿産のオクラが並んだことがあるかもしれません。

2.オクラと害虫「アブラムシ」

アブラムシ大王1.pngオクラを作っていると、つぼみの周りや葉っぱの裏に小さな虫がたくさんついています。その正体は「アブラムシ」

アブラムシは、オクラの体から栄養分を吸い取ってしまう害虫です。

栄養分を吸い取られたオクラは、元気がなくなり、病気になったり、ちゃんとした実が作れなくなったりします。

3.農薬とアブラムシ

アブラムシ大王2.png

アブラムシからオクラを守る方法として一般的に使われているのが、農薬です。

農薬を使って、害虫を退治することを「化学的防除」といいます。

しかし、最近では農薬の効きにくいアブラムシも現れていて、オクラへの被害が心配されています。

この農薬の効かない害虫のことを「抵抗性害虫」といいます。

4.IPM栽培とオクラ

テントウムシマン2.pngIPM栽培を日本語に直すと「総合的病害虫・雑草管理」といいます。

これを簡単に説明すると「いろんな方法で、害虫や病気から作物を守りましょう!!」ということです。

どんなことかというと・・・。

1農薬を使った「化学的防除」

2害虫や病気が入ってこられないようにガードする「物理的防除」

3害虫や病気に強い品種の野菜を植える「耕種的防除」

4害虫の天敵を利用して、害虫を退治する「生物的防除」

があります。

指宿市のオクラ栽培では、従来のように定期的に農薬を散布して病害虫を完全に退治するのではなく、これらの防除法を効果的に使い、自然の循環機能を最大限に活用して、アブラムシからの被害を少なくする取り組みをしています。

※【マンガ】指宿市IPM農法については、こちらをご覧ください。↓↓↓

【マンガ】指宿市IPM農法

5.オクラとテントウムシとアブラムシ


アブラムシ大王3.png

指宿オクラのIPM栽培で多く活躍しているのが、「生物的防除」のテントウムシです。

オクラの害虫であるアブラムシは、テントウムシの大好物

幼虫の頃からアブラムシをたくさん食べて、被害を少なくしてくれます。

テントウムシをうまく活用することで、農薬に抵抗性を持ったアブラムシも退治し、農薬を使用する回数を減らす効果が期待できます。

テントウムシマン1.png

6.環境への配慮とIPM栽培

近年、温室効果ガスの影響による地球温暖化で、大雨や強い台風などの異常気象が発生するようになりました。

そんな中、私たちの生活の中で発生する温室効果ガスをできるだけ削減し、森林などの吸収量を増やして、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」への取り組みが推進されています。

農薬の製造では、二酸化炭素などの温室効果ガスが排出されています。

IPM栽培の効果で、農薬を使用する回数が減ると農薬製造の時に発生する温室効果ガスの削減が期待できます。

また、指宿市は、このカーボンニュートラルに向けた取組を推進する自治体として、令和3年4月に環境省から「ゼロカーボンシティ」の指定を受けています。

なのはなよ1.png

※「ゼロカーボンシティいぶすき」に関する取組については、こちらをご覧ください。↓↓↓

ゼロカーボンシティいぶすき - 環境政策課 (ibusuki.lg.jp)