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理想の場所を探し求めて見つけた『尾下』(おさがり)という地。

高橋佑弥さん・友記子さん
出身地:岐阜県・東京都
移住年:2018年
富山県から移住された高橋さんご夫婦。佑弥さんは大学卒業後、養殖業や水産試験場で経験を積んだ後、アフリカのガボン共和国で海外ボランティア活動を行い、帰国後は漁師として勤務。妻の友記子さんは、東京で保育士として勤務後、佑弥さんと同じガボン共和国にて海外ボランティア活動を行い、帰国後も保育士として働く。結婚後、佑弥さんが指宿市地域おこし協力隊に採用されたことがきっかけで指宿に移住する。

移住したきっかけを教えてください

佑弥さん
熱帯植物を育てるために霜が降りにくい場所に住みたいと思っていました。夫婦で全国の候補地を見て回り、1番よかったのが指宿でした。
友記子さん
私は生まれてからずっと東京で過ごしてきました。結婚後、富山県に移住しましたが、毎朝の雪かき作業や雪道の運転などにとても苦労しました。2人とも暮らしやすい暖かいところに住みたいなと思っていて、1年くらい候補地を探しました。
佑弥さん
お互いに仕事をしていたので、日本地図を見ながら、ネットで情報収集を行い、候補地を見つけては週末に車中泊しながら現地を見て回りました。国内の半島の先端で暖かいところというのは決まっていて、希望先もいくつかありましたが、ときめくような物件がなかったり、移住者がやりそうなことはすでに誰かがやっていたりして、なかなか見つかりませんでした。
友記子さん
最初はお互いの実家から近い場所などを探していましたが、なかなか見つからず、最終的に一番遠い鹿児島にたどり着いたという感じでしたね。

指宿を移住先に選んだ理由は?

佑弥さん
自分が求めていた気候があったこと、空き家担当の協力隊を募集していたことも決め手でした。どこに移住するにしても、最終的には自分で稼いで生活していきたいと思っていました。そん中で、協力隊は地域を知れるし、3年間という準備期間があるから自分には向いていると考えました。
友記子さん
後々は古民家改修をして住みたいと話をしていたので、協力隊の中でも空き家関係がいいねと話をしていました。すると、ちょうど鹿児島を下見に行こうと決めたときに、タイミングよく指宿市が空き家活用コーディネーターの協力隊募集が出ていたんです。
佑弥さん
これは応募するしかない!と思いました。無事に合格できてよかったです。
友記子さん
私はずっと保育士として働いていました。自然体験重視の保育園だったので、移住後は保育園以外の場所でも子供達が集まり、地域で育てる場づくりができたらいいなと思っていました。

移住にあたり不安だったことはありますか?

佑弥さん
私は特にありませんでしたね。温泉や離島めぐりもしてみたかったし楽しみだけでした。
友記子さん
私も大きな不安はありませんでした。富山に移住した時も見知らぬ土地でしたが、何とかなりましたし。でも、協力隊の任期を終えた3年後には、勤めではなく自分達で稼いで生活していきたいというのが移住の目標だったので、3年間でどこまでできるかなという気持ちはありました。

移住するために準備したことはありますか?

佑弥さん
事前の視察に加え、情報収集はしっかりしました。不動産物件の相場を調べたり、市役所の移住担当者に色々と聞いたりしました。下見に関しては旅行感覚ではなく、時間の許す限り十分な下調べをしました。

指宿で好きな場所は?

佑弥さん
尾下集落、湯之峯神社、伏目海岸です。尾下集落は私が惚れ込んだ集落で、退任後の居住予定地です。市街地から車で約30分ほどですが、池田湖の面して眺めがいい、周りは山や田畑などの自然に囲まれ、湧き水もあり、重要視していた霜も降りにくい地域なので、最高の秘境の地です。
友記子さん
コロナ前は月に1組くらいは県外から友人が遊びに来ていました。その際は、必ず森の中の湯之峯神社を案内します。温泉熱の蒸気を利用したスメでゆで卵を作って食べられるのでお勧めのスポットです。

指宿の魅力は?

佑弥さん
本土の中では暖かい方で、温泉もあり、人口も約4万人近く居るため街の規模が大きく、基本的な生活で不便はないところです。ホームセンターも3カ所あり、比較して資材調達ができるので助かります。

指宿の人たちの印象は?

佑弥さん
本土の人だけど、どことなく離島に暮らす人のような南国感が少しあります。
友記子さん
細かいことを気にせず大らかです。移住者のことも受け入れてくれ心の広さを感じますね。
佑弥さん
テゲテゲ(大ざっぱ)でも許してくれます。最近では、多い日は10人くらいの方が集落内外から遊びに来てくれます。差し入れを持って来てくれる方、古民家改修や農作業を手伝ってくれる方など様々です。こちらからお願いをしているわけではなく、自ら楽しんでやってくれています。

移住後の生活の変化は?

佑弥さん
移住前は漁師をしていたので昼夜逆転の生活でしたが、現在は太陽の下で働いているのでより健康的になった気がします。
友記子さん
新しい人と人の繋がりを実感しています。私達に会いに尾下集落に来てくれる方が増え、さらにその方々同士が仲良くなって、繋がってくれているのを見てすごくうれしいです。また、農業の研修をしたり、自分で作った野菜を売り始めたりしたので、とても目まぐるしかったです。ようやく、やりたいことの下準備ができて、方向性が見えてきたことも大きな変化ですね。

今後どのように暮らしていきたいですか?

佑弥さん
退任後に予定している観光農園や農家民泊を定着させて、集落内でお金を稼げるようにしつつ、自分の大好きな尾下集落の魅力を発信して行きたいです。
友記子さん
指宿らしい温泉や観光にプラスαとして、のんびりとゆっくり時間が流れる非日常感を味わえる場所を作っていきたいです。子供達をはじめ色々な人が集まり、自然体験や収穫体験などを年間を通して定期的に体験できるような仕組みづくりもしていきたいですね。
佑弥さん
都会から指宿への移住において、収入面でネックになっている人もいると思うので、自分達がしっかり稼いで色々な面でアドバイスができるようになりたいですね。

移住者へのアドバイス

佑弥さん
実際に移住してそこで暮らしている先輩移住者に話を聞くのが一番だと思います。特に自分の理想に近い人に会って話を聞くこと。例えば、農業だったら畑を見せてもらったり、飲食店なら食べに行ったり、何かアクションを起こすことです。
友記子さん
移住後にどんな暮らし方をしたいのかイメージを持つことが大事です。そして、地域での人間関係をしっかりと築くことも重要です。地域によって密接度合も違いますので、自分の譲れないポイントなども自分の中で持っておくと付き合いやすいかもしれません。
佑弥さん
住まいについても、ミスマッチを防ぐために、いきなり購入するのではなく、借家に住みながら物件を探すことをお勧めします。市内でも地域性が異なりますので、自分に合った場所を見つけるために、地域内でも二段階移住は必要なことだと思います。