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暖かい海がある暮らしに憧れて。

田中 正之さん・愛子さん
鳥取県から移住
移住年:2022年
鳥取県から移住された田中さんご一家。元々、正之さんのご実家が鹿児島県出水市にあったことから県内で移住地を探し、そして指宿市へ移住。都会からの移住ではなく、過疎地からの移住で、雪が多く山間部に住んでいたことから、暖かくて海が近い指宿市を選んだ。田中さんご夫婦は世界一周をした時のエッセイ本も出版している。

移住したきっかけを教えてください。

正之さん

今までは妻の実家がある鳥取県に住んでいました。僕の実家が鹿児島県出水市にあり、両親もだいぶ歳をとってきたので、何かあった時に鳥取だとすぐに帰れないことや、僕が長男なことから、ゆくゆくは鹿児島に帰るかなと思っていました。
なので、とりあえず鹿児島や実家に近いところに行こうと思ったのがきっかけです。いきなり実家に住んでも良かったんですけど、まずは行き来しやすいくらいの距離にと思って九州内で探していました。そこから、だんだん近いところにってことで県内の何か所かを検討した結果、最終的に指宿になりました。

指宿を選んだ理由を教えてください。

愛子さん
前に住んでいた鳥取は、すごく雪が多くて「もう雪はいいかな」という気持ちがあり、暖かいところに住みたいなぁと思って候補地を探していました。指宿はきっと暖かいだろうし、端っこだからいいんじゃないかなぁと。
実際に来てみたら、開聞岳とか風景がすごく綺麗でした。私は山川の景色がすごく好きで、特に長崎鼻に向かって降りる所の景色がすごく綺麗で印象深かったです。
正之さん
県内でも移住の候補地をいろいろ考えましたが、島になると逆に実家へ行きにくいですし、実家のある出水市の近くなら「両親と一緒に住もうよ」という話になるので、指宿は良い距離感というか。思ったよりちょっと遠かったですが...。
あと、うちは親が転勤族だったので、親に「鹿児島県内でいろいろ住んでみて、どこがよかった?」と聞いてみたら、「指宿はよかった」と言ってて、それが候補に上がったきっかけですかね。
あとは、ただの旅行みたいな感じで日帰りで指宿に一回来て、ちょっと車で回って帰りました。次に来た時は、二泊三日でもう少しゆっくり滞在しました。その際には、お試し滞在サポート事業を使わせてもらって、移住相談で役場に行きました。
それからもう一回、お試し滞在サポートで来ました。その時はほぼ「来るぞ」という感じで、仕事の面接や家を探しました。それで三回指宿に来てから、移住してきた感じですね。お試し滞在サポート事業は結構使わせてもらいました。

移住に向けてどうやって仕事や住まいを探しましたか?

正之さん
仕事は、具体的に「移住するぞ」となってから、ハローワークやネットの求人サイトで探しました。前の仕事が農業で、農業の仕事が一番慣れてるから探しやすいかなと思いました。指宿は農業系の求人が多かったので、仕事は探しやすかったです。
ハローワークの制度で、転職で遠くに引っ越しする時に移転費が出るものがあるんですよ。そういう使える制度が結構あるんだなと思いました。
住まいについては、前は空き家バンクがなかったので、あったらいいのにな、と思っていました。前に住んでいたところは本当に山の中の過疎地だったので不動産屋さんがなく、家を探す時は役場の空き家バンクや口コミ的な感じで職場の人とかに探してもらうしかなかったんですけど、指宿は「家を探す時は不動産屋さんを紹介しますよ」という感じでした。
この家は不動産屋さんに最後に見せてもらった家なんですけど、他に見せてもらっていた家はあんまりピンと来なくてどうしようって思ってたんですが、ここは大家さんも良い人ですし、見つかって良かったです。
愛子さん
あと、移住支援サイトに載っていた高橋さんをInstagramで見つけて、連絡を取りました。二回目に指宿に来た時も連絡を取って、尾下まで会いに行きました。尾下も結構気に入って、尾下に家があったらいいなと思っていたんですけど、その時は良い家が見つからなくて。
他にも高橋さんから、移住者に地区の空き家を紹介している地域のボランティア団体を紹介してもらって、連絡を取りました。誰に何を聞いたら良いのかがよくわからなかったので、とりあえず繋がれるところと繋がって、いろいろ聞いてみようと思っていました。
最終的には不動産屋さんに紹介してもらった物件に決めました。

移住するにあたり苦労したことはありましたか?

愛子さん
私は、子どものことが気になっていました。どこの幼稚園や保育園に入れるのかっていうこととかですね。ネットで調べるだけでは園の場所は分かっても、その園がどういうところなのかがどうしても分からなくて。移住相談の時にも聞いたんですが、市役所の立場だと言えないこともあるだろうし、結局どこにしたらいいのかっていうのがよく分からずでした。
正之さん
移住相談の際に幼稚園・保育園のちょっとした紹介文や園の方針が書かれた一覧表をもらいましたが、実際の園の雰囲気とかまでは分からないので。
愛子さん
本当は口コミとかが知りたかったんです。「ここの園はこういうことしてて良いよ」とか、「こういうところがあるよ」とか。なので、移住してから話を聞いて、「あぁ、そうなんだな」と分かる感じでした。
正之さん
11月の半端な時期に引っ越して来たので、とりあえずその時点で空いている園に一旦入って、それから通っているうちに周りの人から聞いたりしました。
愛子さん
移住してから、Instagramで「お散歩会*」や「あそびばここから」を知って、そこが主催するイベントとかに遊びに行ったり、話を聞いて情報を得たりしました。そういう人たちがいてくださったので、助かった感じですかね。
実際に行ってみたら、移住しているお母さんって結構いたんですよ。夫の転勤とかで来て、やっぱり周りに知り合いがいないから、こういう集まりに来てみたっていう人が何人もいて、「みんな同じなんだな」って思いました。
正之さん
前に鳥取へ移住した時、僕は一人だったからあまり苦労はなかったんですよ。「仕事も行ってから探せばいいから、無職でもいいや」とか「行ってどうにかなるだろう」って。
でも今回は家族がいますし、特に子どものこともありましたので、仕事や家、保育園のこととかちゃんと決めなきゃいけないな、というのはありました。まぁでも、あんまり考えずに来てから探すのでもいいと思いますが、やはりある程度は決まっている方が不安も少ないだろうと思います。

* 「お散歩会」は現在、「ふらっと会」という名前で活動中。ふらっと集まり、その場にいる人と時間を共有する場を作っている。

移住前に楽しみにしていたことはありますか?

愛子さん
温泉!徒歩圏内で温泉があることと、海沿いの暮らしっていうのが初めてだったので、楽しみでした。港もすごく近いので、船を見に行ったり、魚釣りをしたり。
正之さん
魚釣りは、ここに来るまでしていなかったので、移住してから子どもの簡単な釣りのセットみたいなのを買いました。
あと、指宿の人は「指宿は田舎だ」って思っているかもしれないですが、僕らが前にいたところよりも街なので、歩いて飲食店や買い物に行けるから街の便利な暮らしもできて、環境は全く変わっている感じですね。前は山の中のでっかい古民家に住んで、夜に呑みに行こうとしても車が必須なので、運転があるから二人ともは呑めないですし。たまたま、ここの家に決まったからですけど、歩いて行ける範囲にいろいろお店もあったりして、楽しんでいますね。
都会から来るとお店の選択肢は少ないと思うかもしれませんが、買い物は大体指宿市内で出来ないことはないですし。都会過ぎない、程よい感じです。
愛子さん
ホームセンターがあるので、何でも揃います。

好きな場所はありますか?

愛子さん
歩いて行ける「元湯」が好きです。「吉乃湯」も好きで、よく行きます。
正之さん
家の近くを散歩するのが好きです。海沿いの道を指宿港まで歩いて行って、子どもと魚釣りをしたりします。まだ一部しか整備されていませんが、砂浜がちょっとあるので、夏に何回か泳いだりもしました。
愛子さん
幼稚園の帰りに、指宿港の海でみんなで遊んだりしました。今までそういうことをしたことがなく、初めてでした。夕暮れの時間で、すごく良かったです。
正之さん
景色だと山川の、長崎鼻の方へ降りていく感じが良くて、僕の職場がちょうどその辺りなんですが、毎日そこを通ってます。
愛子さん
あと、オーストラリアの森が好きです。子どもを連れていくつかの公園を回ってみたんですけど、あそこが一番良かったです。木に登ったり、草のにおいを嗅いでみたり。普通の公園だけだと遊びに限界があるんですけど、あそこはそういう限界がなくて、良いなと思いました。
正之さん
ちょっと遠いけど、開聞も良かったです。
愛子さん
そうそう、かいもん山麓ふれあい公園も良かったです。そこのプールも良かったです。プールに行って、そのあとお蕎麦を食べて。
正之さん
フラワーパークの年間パスポートも買いました。あそこなら小さいこどもがちょろちょろしても危なくないですし、お弁当持って行って食べたりしています。
あと、開聞岳も登りました。僕ともう一人の友達と、長男と行ったんですけど、子どもも頑張って登りました。指宿は、景色が良いところが多いですね。

指宿の人はどんな印象ですか?

正之さん
隣の家に大家さんが住んでいるんですけど、大家さんがすごく良い人ですね。反対の隣には、おばあさんが住んでるんですけど、最初来た時も僕が仕事でもらってきた野菜とかを配ったりしてちょっと交流があったり、子どもがいるからよくお菓子をもらったりして、良くしてもらってます。
前に住んでいたところほど、向こうからすごい来るわけじゃないけど、自分からちょっと出ていけば、反応や交流があるというか。都会に住んだことがないので、あくまで僕のイメージですが、都会の人ほど距離感は遠くないけど、すごく近くもないから丁度いい距離感です。
愛子さん
私は仕事場がCOCCOはしむれで、発掘された土器をくっつけたり、土器の図面を書いたりするのが仕事なんですが、たくさんいる作業員の人達とも一緒になります。
正之さん
温泉祭の時に、仕事場のハンヤ踊りに家族みんなで参加させてもらったんですけど、妻の仕事場のおじさん達も、僕や子どもが行っても「ようこそ」みたいな雰囲気で迎え入れてくれました。
愛子さん
最初、子どもをお風呂へ連れて行った時、子どもはまだ赤ちゃんだったので、どうしようと困っていたら、「抱っこしておいてあげるから、身体を洗いなさい」って助けてくれたりとか。鹿児島の人は良い人っていうイメージありますね。
正之さん
子どもがいるとやっぱり、コミュニケーションのきっかけになるのかなと思います。子どもに話しかけてくれて、子どもは話しかけられても恥ずかしがって何も言わなかったりする時があるので、僕が喋ったりとかして。
前も子どもと歩いていたら、すれ違ったおじいちゃんが「昔、子どもに買った図鑑があるけど、興味あるか」って聞いてきて、そのまま植物や動物の図鑑を家まで持ってきてくれました。

移住者へのアドバイス

正之さん
実際に見てみないと分からないので、一回来てみたらいいと思います。「本当に住むとしたらどうかな?」と、住む目線になってお店とかいろんなところを見た方が良いです。気になる人やお店とかがあれば、気軽に連絡してみると、そこからいろいろ教えてもらえることもあります。あとは、使える支援制度は使ってみたらいいと思います。
愛子さん
それと、自分でも情報収集した方が良いと思います。私はInstagramとかでいろんな人と連絡を取ってみたりしました。人と関わることを始めないと、本当の情報は得られないような気がします。移住を始めてから人の繋がりは拡がっていくと思うんですけど、ただ公園で会うだけでは友達になりにくいし、やっぱりもう一歩が大事ですよね。なので、どこかコミュニティに入っちゃうとか、繋がりが強い地域に住んじゃうとか、そうやって繋がりを作ってはどうかなと思います。
正之さん
気になる人とかお店とかがあれば、気軽に連絡するだけしてみた方が良いと思います。そこから教えてもらえる情報を頼りに、一度来てみたらいいと思います。結構、来たら良いところだと思うんじゃないかな。