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新しく挑戦できる地を探して日本一周。運命的な出会いの指宿へ。

梨井 星太朗さん・英 麻耶さん
石川県から移住
移住年:2023年
石川県から移住された梨井さん・英さんのお二人。2年にわたり、自転車で日本一周の旅をし、移住先に指宿市を選んだ。現在は、お住まいの家をDIYで改装する傍ら、ボディインストラクターやヨガインストラクターとしてお仕事の他、農園や飲食店等、様々なお仕事をされている。

移住したきっかけを教えてください

英さん
「田舎暮らしをしたい」という気持ちから始まって、でも場所は決めずに日本全国を見に行こう、と自転車での日本一周の旅が始まりました。だから「なにが良い」とか「ここが良い」っていうこだわりは、旅しながら見つけていこうという前提でした。
梨井さん
2人ともしたいことがあったので、自分達で何か挑戦したい気持ちがありました。地元だと、身内だったりいろいろな関わりや伝手があるので、自分達の力だけでゼロからのベースで何かいろいろ挑戦するために、とりあえず移住しよう、となりました。 そこで、2人で新しい場所を探してみたいなと思い、日本一周して自分達で見つけようって思ったのがきっかけですね。

指宿を移住先に選んだ理由は?

梨井さん
指宿にこだわってはなかったです。むしろ、指宿に来る予定は元々なかったんです。日本本土の最南端である大隅半島には行ったんですが、その時に開聞岳を目にして「あれ、なに?」と驚きました。全くルートじゃなかったんですけど、2人で「あそこに行くしかないな」ってなりました。旅も全部決めて行く訳でなく、夜に明日どこに行くのかを決めていたので、この時も行先を指宿にぱっと切り替えて、という形でした。
なので、指宿に来てからちょっとずつ指宿の魅力を感じていきました。例えば温泉がたくさんあることを知らなかったので、泉質の多さや日常に温泉があることも移住したきっかけの一つですね。
英さん
あとは指宿で、運命的な出会いが多かったんですよ。自転車での旅なので、寝るところも野宿やキャンプがベースだったんですが、指宿の鰻温泉に到着した時に台風が3日後に来るってなって「どうしよう!」っていう感じだったんです。
そんな時に温泉で出会った人が「うちに泊まりなさい」って言ってくれて。そこから、どんどん知り合いの輪が広がっていき、皆さん、助けてくれました。
梨井さん
人の良さを一番濃く感じたのが指宿だったので、移住してきたっていうのもありますね。
英さん
旅の間にも、沖縄で過ごしていた時があったんですが、生きる力がすごい人達に出会ったのもあって、「自分たちで生きる」というのはテーマになっていました。
自給自足をしたり、なるべくお買物とかそういうものに頼らずに生活できるような場所を探そう、というのが旅の間に明確になっていました。
梨井さん
2人で暮らすにあたり古民家をDIYしたいというのが前提にありました。この家も、古民家で広い庭があって自給自足もできそうで最適だったから、最終的に行き着いた形です。
英さん
ですので、旅の後半で指宿に出会ったのは、本当にタイミングと出会い方が良かったんだと思います。
梨井さん
あとは、「暖かいところがいい」というのがあって。2人ともハーブが好きなので、ハーブや作物を育てられるから暖かいところがいいと考えていました。それと2人とも自然が好きなので、山と海が欲しかったんです。
英さん
でも、中々ないと思うんですよ。海があって、目の前で山登りできる山もそこにあるって。それってすごい良いな、魅力だなって。
梨井さん
海はちょっと入れないけど、でも海を感じることができますからね。

指宿の魅力は?

梨井さん
温泉は本当に、旅中に好きになりました。やっぱり自転車を1日中ずっと漕ぐので、疲れるんですが、温泉に入ると、次の日は体が軽いなあって。今も週に1回くらいは行くぐらい、温泉は好きです。
英さん
あと、場所によって泉質が違うっていうのが面白いですよね。
梨井さん
違う泉質を味わえるっていうのも、魅力だよね。
英さん
あと、どこの温泉に入っても、初めて会うおばあちゃんが普通に話しかけてくれて。基本、穏やかでウェルカムに接してくれる人が多いです。その雰囲気が嫌じゃないから、いつの間にかいろいろ話しちゃって、つい、家の場所まで言っちゃった!みたいなこともあります。
旅をしている中には、地域の人ではない人が温泉に来たからということで警戒された地域もあったんですよ。でも、指宿はどこに行ってもそんなことはないです。だから観光で来た方もぜひ、地元の人が行く温泉に行ってほしいです。
梨井さん
鹿児島全体でウェルカムに接してくれる人が多い感じがします。指宿もそうだけどね。
英さん
結局、そういう人たちに魅かれて移住してる人達も、みんな良い人ですよね。
梨井さん
電気工事士の試験を受けるにあたって、内田さんに工具一式をお借りしたんですよ。お借りしてなかったら、受からなかったですね、絶対に。
英さん
こういう風に勉強しておけば大丈夫っていうのを内田さんが教えてくれたんです。指宿にいる人は移住者も含めて、良い人や素敵な人が多いです。
ここの家を探す時も、元々は鰻温泉でどこか古民家はないかなって探してたんですが、その時から私達の話が波紋のようにバーッて広がっていったんです。「あの、自転車で旅してた2人が指宿で家を探してる」って。その時に出会った農家さんの方々が、「よし、今から家を見に行くぞ」って連れて行ってくれたこともありました。本当に地元の人の協力なしでは移住できなかったなと、今でも思います。
でも、だからこそお試し滞在サポートは助かりました。私達は知り合いができた状態で使わせてもらったけど、やっぱりああいう補助で指宿に滞在できるのは、地元の人と仲良くなれる機会なので、本当に良いサポートだと思います。

実際に移住してみてのギャップはありましたか?

梨井さん
自分達は、家も車もない旅の生活を2年していて、その間に田舎への不安や不便というのはクリアしてきましたし、全部を有り難く感じながら住まいに入っているので、住む前後のギャップはあんまり感じてないです。でも、地域の文化とかの面で「違うな」っていうのは感じます。例えば、節分の豆まきが落花生を使っていることとか。
英さん
スーパーに行って驚きました。「落花生が並んでるんだけど」って。
そういったことも楽しいし、面白いですよね。あと、お墓に造花が飾ってあるのも衝撃でした。でもそれは、鹿児島が温かい地域だから腐らせないようにという気持ちなんだよって聞きました。不思議に思って地元の人に聞くと、そうやって教えてくれるので勉強にもなります。

鹿児島弁は分かりますか?

梨井さん
僕らに向けて喋ってくれるのは分かりますけど、現地の人同士が話してるのは分からないです。でも最近、何を話しているのか全く分からない人がいたね。
英さん
久々に出会ったね。どうやっても駄目で、何を話しているか分かりませんでした。
単語はいろいろ教えてもらったりしてます。最近、習ったのは「キンゴキンゴ」。「きれいきれい」って意味で、「綺麗にしなさい」は「キンゴキンゴしなさい」って言うんだと教えてもらいました。
そうやって教えてもらいながら覚えてきてはいますが、なかなか日常では使えないですよね。まだ、「ですです*」も言えてないです。


* 「ですです」とは鹿児島弁の同意表現で「そうです」の意。

指宿でのお気に入りの場所は?

英さん
鰻...いやあ、香料園も好きだな。
梨井さん
でもやっぱ、鰻じゃない?エネルギーを感じるし。
英さん
町に入るだけで、「ほぅっ...」てなる感じがして、落ち着きます。やっぱり、それぐらい癒やしの場所なので、みんなに行って欲しいと本当に思います。
鰻池を抜けて、あの道からもう始まっていて、なんだかわくわくしてくる。その天気によって鰻池の雰囲気も変わるので、それを見るのも本当に楽しみです。
あと、鰻の地域の人達にお世話になってますし、たまに頼ってくれることもあるので嬉しいです。地域で草刈りする時に「若者がいないから、手伝いに来て」って。そうやって頼ってくれると嬉しいですしね。
鰻の人達もやっぱり「地域が元気になるなら」っていう感じでいますしね。一緒に盛り上げたいなと思っています。

今後、これからやってみたいことはありますか?

英さん
とりあえずこの家を整えて、ヨガを伝える場所だったり、ボディケアだったりをやっていきたいと思っています。ある意味、私の中でギャップだったところの一つなんですが、指宿の人達は、畑をやってる人であっても、体を動かす場所や時間を取っている人が割と少ないなと感じます。なので、そういう場所を作れたらいいなと思っています。
今、ヨガのレッスンを持っているのは鹿児島市の方なので、指宿でもしたいと思っています。やっぱり、こんなに自然がいっぱいの場所だから、体を動かして呼吸してっていうのをこの家でしたいと思ってます。
梨井さん
そのために、家をあと2年くらいで大体完成させて、自分達のしたいことの活動をしていきたいなとは思っています。

これから楽しみな事はありますか?

英さん
県外でのつながりが多いので、知り合いを指宿に呼びたいです。指宿をみんなに知ってほしい。
リトリートみたいなのをしたいなって思っています。指宿に何日か滞在して、指宿の食や自然を体感して、ゆったりと過ごす場所を作りたいです。私達が良いなと感じる場所に案内していきたいです。
梨井さん
だから、ここも家庭菜園できるようにして土とか触ってもらったり、自然体験をしてもらいたいなあって。指宿の良さを知って、登山をしてみたり海を見に行ったり。そういったことができるところだから、多分ここに行き着いたんですかね、僕らは。

移住者へのアドバイス

英さん
とにかく1回来てほしいです。1回来て地元の人と触れ合えば分かると思います。 移住する上で心配なことは、仕事やお金の問題だと思うんですが、今の収入は東京でフルで仕事をしていた時の半分ぐらいになってます。でも、都会にいる時は物欲もあって買い物もたくさんして、お金を使いすぎていたけど、移住してからは求めてるものや視点自体が変わったからか、お金の使い方や物への価値観が変わって、豊かさは倍増しています。だから今は、そこに心配がないんだと思います。
なので、もしお金の面とかで心配して移住を思い留まっている人がいたとしたら、なんとでもなります。私達も仕事とか決めずに来てますし、みんな助けてくれるので。
梨井さん
不安に勝るぐらいの自然や人の良さとか、そういう可能性がこっちには広がっているから、大丈夫かなって思いますね。
英さん
あとやっぱり無理せずに、みんなを頼る。頼り過ぎるのはまた話が違うけど、自分の中でやってみて、もうこれ以上は自分達じゃ無理だってなって相談すると、地域の人が「そういうの得意な人、ここにいるよ」って教えてくれたり、つなげてくれたりします。ですので、なにか不安なことがあったら、まず周りに相談する。市役所の移住担当の方達もいるので、とにかく全部相談したほうがいいと思います。抱え過ぎずに周りの人に相談して、解決していくんじゃないかなとは思います。