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コーヒー屋さんを始めて実感する、人とのつながりの楽しさ。

久保 達哉さん・栞さん
佐賀県から移住
移住年:2024年
佐賀県から移住された久保さんご夫婦。夫、達哉さんは以前は陸上自衛隊にお勤めで、指宿は達哉さんの地元になる。妻、栞さんも元々は自衛隊でお勤めされていたが退職し、その後、歯科衛生士に転職。お二人は、達哉さんのご実家の農家を手伝いながら、夢だったコーヒー屋さんを始めるために指宿へ移住された。現在、自家焙煎コーヒー専門店「UMIKAZE COFFEE ROASTERS」を営まれている。

移住したきっかけを教えてください。

達哉さん
自分が生まれ育った場所が自然豊かでいろんな観光地もあるから、そこに栞さんを一緒に連れて行きたかったっていうのが、一番の目的です。
栞さん
私も年に1、2回ぐらい実家に遊びに行ってた時に、良いところだなあと思ってて。住むなら自然豊かで、おいしいものが食べれるところがいいなあ、いずれはそういうところに住みたいなあって思いながら、前職で佐賀や福岡に住んだりしてたんですけど、この話が出て、いいねとなって移住した感じですね。
私は元々大分の別府出身なんですよ。あったかいし、温泉もあるし、似ている感じがあっていいなっていうのもありました。
達哉さん
前職を退職した理由はコーヒー屋をやりたいな、と。年取ってからお店するのも中々うまくいかないだろうから、ちょっと早めにというのもありました。

移住されてからはどうですか?

栞さん
すごく楽しいです!
達哉さん
観光場所はとりあえず一通り全部連れて行ったし、私も気に入ったところとか何回も行ってます。知林ヶ島とか長崎鼻とか。
頴娃とか喜入まで入れると、もう相当な数の観光場所がありますよね。千貫平*は指宿市を全部一望できるから、良いところですね。
栞さん
私は、たまて箱温泉が一番好きです。ここに移住するのをあそこに入って決めました。
達哉さん
一望できるっていうか、湯船に入ったらもう海。余計なものは何もないよね。


* 千貫平自然公園は鹿児島市と南九州市の境にある自然公園。

実際に移住してみてのギャップはありましたか?

栞さん
あります。良い意味で距離感が近いですよね。佐賀や福岡で働いてた時は、家の周りの地域の人達との関わりってあんまりなかったんですけど、指宿に来て、みなさん、気にかけてくれて話しかけてくれたり、野菜をくれたり、「どう?元気?」とかそういう会話があるから、地域の人もみなさん、安心して暮らせている気がします。
「田舎だから大丈夫かな?」と不安に思う部分もあったけど、全然大丈夫でした。みなさん、仲良くて近くていいなと思いました。それが気になる人もきっといるだろうなとも思うけど、私は結構楽しいので良かったです。
達哉さん
そう言ってもらえて、良かったです。

指宿の雰囲気はどうですか?

栞さん
地域が盛り上がってますよね。今は夏祭りとかあるところが、あまりない気がします。私の実家も、小学校ぐらいの時は盆踊りとかあった記憶があるんですけど今はしていないので、だから地域の夏祭りがあるのは良いなと思います。
達哉さん
指宿は温泉祭*もありますよね。去年、僕達も温泉祭で踊りました。
栞さん
私も顔を白く塗って、着物を着て踊りました。初めて踊りましたが、すごく楽しかったです。だから今年も踊りたいですね。


* 指宿温泉祭とは、指宿の豊富な温泉の恵みに感謝する祭り。初日は鹿児島の民謡「ハンヤ節」に合わせて踊るハンヤ踊りやゲストステージ、2日目は神輿を担いで練り歩き、夜には花火大会が開催される。

コーヒー屋さんを始めようと思ったきっかけを教えてください。

達哉さん
元々、キャンプやアウトドア系が趣味で、コーヒーも好きで。コロナ禍で外出できなかった時に、趣味を合わせていろいろできないかっていうところから始まりました。
栞さん
コーヒーとキャンプが合わさって、手焙煎をキャンプで始めました。コーヒーっていろいろ味があって自分で焙煎できて楽しいんだってなり、自分で焙煎するようになりました。そこからコーヒー屋さんに行って、「この豆ってどうやって焼いたんですか?」とか「この豆を飲んでもらっていいですか?」って話すようにもなり、そういう目線でのコーヒー屋さん巡りを始めました。
達哉さん
他のコーヒー屋さんがやってるワークショップに参加したりもしました。
栞さん
いつかコーヒー屋さんをできたらいいよねっていう話で、こっちに来ましたね。指宿に来て、農家と歯科衛生士をして、コーヒー屋さんをするのはゆくゆくの話だろうなって、思ってました。
指宿の良いところを取り入れたパッケージを作りたいなということで、デザイナーの今柳田さんのところに行きました。そこで、イラストレーターの牛若さんにつないでもらって、パッケージを作っていただきました。その後、カーザヴェッキオさんでイベントのお話をいただいて、初めて「UMIKAZE COFFEE ROASTERS*」として出店しました。
その後もありがたいことに、カーザヴェッキオさんから「朝、お店を使っていいよ」と言ってもらえて、間借りコーヒースタンドを始めました。
達哉さん
朝市**に出店させてもらえるようになったしね。


* お店の名前は、海が好きなことと二人とも焙煎をするので、「みんな、焙煎士ですよ」という意味合いを込めて名付けられたという。


** 朝市は指宿未来協議会が主催し、毎月第三日曜日に指宿駅前の中央商店街で行われている。詳しくはこちら

お店を始めるまでに苦労したことはありますか?

栞さん
イベント出店の要領が分からなくて困っていましたが、みなさん優しく教えてくれて、心配することもなく前に進むことができました。
イベントも、みなさん誘ってくれますし、みなさん楽しい感じで。イベントを主催する人も大変っていう感じじゃなくて「盛り上げようよ。おいで。みんなでやろうよ!」みたいな感じで。
達哉さん
関わる人達も良い人達ばかりで、楽しく出店させて頂いてます。
栞さん
イベントがこんなにあるのを見たことがないですし、出店者がこんなにいるのも見たことがないです。どのイベントもとても大盛況で、指宿をみんなで盛り上げようという思いがとても感じられてすごいなと思います。基本、イベントやマルシェは飲食系が多いイメージですけど、指宿は雑貨屋さんも多いですね。
達哉さん
なので、毎回出店しながらも見て回るのが楽しみです。

今後、これからやってみたいことはありますか?

栞さん
いつか店舗を持って、イベント出店も続けて、指宿のみなさんと一緒に指宿を盛り上げられたらなあと思っています。私は移住してまだ1年ですが、指宿をすごく好きになったので、もっと指宿には良いところがいっぱいあるのを紹介したいなと思っています。ですので、ぜひコーヒーを飲みながら、牛若さんが描いてくださったパッケージの指宿の名所に行って欲しいですね。そんな感じを目指してます。これからが楽しみです。

移住者へのアドバイス

栞さん
私は指宿に移住するまで、周りの人と関わらない寂しさを感じてたんです。仕事に行って、職場の人としか話さない。家へ帰ったら達哉さんとしか話さない生活でしたが、指宿に来て関わる楽しさを強く感じました。全てがあたたかく感じます。だから一人暮らしでも、コミュニティが狭くても、こっちに来て自分から外に出れば、自然とコミュニティが広くなるから、そういうのが楽しいよって。だからそういうのを求めている人だったら、すごく良い場所なんじゃないかなと思います。
達哉さん
移住者の目線で考えたら、ちょっと南国風でもあるし観光場所も多いし、普通の田舎と違って、やっぱし一年通していろいろにぎやかなところも感じられると思います。楽しいイベントも多いしね。

「お店をやりたい」という人へのアドバイス

栞さん
イベント出店はお店を持つよりもハードルが低いので、できる範囲は限られますがオススメです。他のイベント出店者さんも分からない部分を優しく教えてくださるので、安心して始められると思います。
他にも米永書店さんこばこ*の取り組みもとても素敵ですよね。こばこは、月に1回ワークショップを開催させてくれます。ワークショップの時間は、イベントでゆっくりお話しができないお客様と、より深くコーヒーのお話ができる場になっていて、とても貴重な時間です。プラスで、もっとやってみたいって思う手段があることは助かりますし、また違った楽しみもあって良いなと思います。きっと探せば、他にもたくさんの方法があると思います。
達哉さん
いろいろやってみて、やっぱり人のつながりが得られることは大きいですね。
栞さん
指宿は、ダブルワークもしやすい環境だと思います。みなさん、いろいろ何かしているのでいろんなところで関われますし、背中押してもらえます。
ぜひ移住して、一緒に楽しく過ごしましょう。


* 米永書店にあるシェア型本棚「Book apart こばこ」のこと。