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チャレンジの場所は、幼少期の思い出の地と決めていました。

浦野敦さん・良美さん
東京都から移住
移住年:2016年
東京都から移住された浦野さんご夫婦。東京で敦さんは商社に、良美さんは診療所に勤務。移住先に選んだのは、敦さんの母の実家があり、子供の頃に楽しく遊んだ思い出のある開聞川尻。ここで、新しいことにチャレンジすることを決意し、移住。現在は夫婦で有機野菜の生産や販売、一棟貸し切りの宿「木の匙」を経営する。

移住したきっかけを教えてください。

敦さん
新しいことにチャレンジしたいと思いました。ちょうど40歳くらいだったと思います。この歳で新しいことを始めるってなかなかできないことですし。前々から自分で事業をやってみたいという思いが心のどこかにあったんでしょうね。
良美さん
主人から移住の相談を受けたとき、特に驚かなかったですね。私はどこに行っても楽しく過ごせると思ったし、嫌になったら帰ればいい(帰る場所がある)と思っていました(笑)。

移住前に苦労したことはありましたか?

敦さん
家探しですね。3~4件ほど不動産屋を回りましたが、良い物件が見つかりませんでした。最終的には、お隣りの南九州市に、賃貸の物件があったので、そこに住みながら探しました。
良美さん
マンションやアパート生活では東京と変わらないと思っていたので、一軒家を探していましたが、その当時、自分達が希望する物件が川尻には全くなかったですね。
敦さん
それから、家族には心配をかけました。農業でやっていけるのか、サラリーマンの方がいいのではと、仕事面を心配されましたね。

農業を始めたきっかけは?

敦さん
私は住まいが優先だったので、仕事は移住してから探そうと思っていました。移住前から、田舎ではサラリーマンは勤まらないだろうな...という思いがあったこともあり、農業に挑戦することにしました。まず1年間、農業の研修を受けて、有機農業を学びました。今は、スナップエンドウ、かぶ、ソラマメ、さつまいも、オクラ、ピーマン、大根など、普通の農家さんより作っている品種は多いです。失敗するリスクが大きいので、リスクを分散するためです。化学肥料や除草剤などは使えませんから。

地域の人たちの印象は?

敦さん
移住者だから特にだと思うんですが、皆さん気にかけてくれます。
良美さん
本当に親切に声をかけてくれる方が多い印象です。畑で作業をしていた時に、隣の畑の方がアイスを差し入れしてくれたり、通りかかった見知らぬ方が車を停めて、突然お魚をくれたりと、都会では絶対にないことですね。でも、鹿児島弁が未だに分からないです(笑)。子供の方が上手に鹿児島弁でお話できると思います。

指宿の魅力は?

敦さん
私は川尻がとにかく好きで、特に海と開聞岳、佐多岬を望むこのロケーションが大好きです。指宿の中でも、海と開聞岳をこれだけ間近で見られるのはここだけだと思っています。
良美さん
広大な砂場(海岸)で周りを気にせずに、遊べるのは最高ですよね。子供を思いっきり遊ばせることができるので、ありがたいです。
敦さん
食事がとても美味しい、特にお魚は抜群に新鮮です。朝に川尻漁港で上がったお魚を近所の鮮魚店から買って、その日の夜には食べられるなんて最高でした。母がよく東京の魚は食べられないと言っていましたが、移住してその意味が初めて分かりました。今は、その鮮魚店は閉店してしまいましたが。

子育て環境はどうですか?

良美さん
走り回ったり、大声出したり、子供がやりたくてしょうがないことを心置きなくできるところが最高ですね。東京にいたら、周りに気を遣うので、つまらないことで怒らないといけないんです。
敦さん
こちらは電車乗って外に出かけることがほとんどなく、移動はほぼ車なので、どんなに騒いでも自由ですし、子育て世代にはラッキーですね。
良美さん
東京では保育園に入れない待機児童も多いですが、指宿は保育園にも入りやすいです。また、東京では、色々なところに神経を使わないといけないので、お母さん達が殺気立っていた気がしましたね。指宿はご近所に気を使わないし、環境はとてもいいですね。
敦さん
ただ、来年から子どもが小学校に上がるので、環境がこれまでとは変わりますね。
良美さん
小学校の同じクラスの子がうちの子を入れて4人しかいないんです。入学してみないと分かりませんが、少人数であることが「目が行き届いてよかったね」となるのか「やっぱり寂しいね」と思うのか。どうなるかなという不安な気持ちと楽しみな気持ちと半分ずつです。

一棟貸し切り宿「木の匙」を始められた理由を教えてください。

良美さん
一棟貸し切り宿を始めた理由は、友達に指宿へ遊びに来て欲しかったからです。うちに泊まってもらっても良いんですが、せっかくの良い場所なのでもっと気楽に泊まりに来れるようにしたかったんです。
敦さん
海と開聞岳が綺麗な場所なので、両方が見える場所がよくて、最初は古民家で探していました。
良美さん
すぐ近くに出ていた物件を見に行った際に、一緒に見に来ていた私の父が、ここの土地が売り出し中になっているのを見つけてきました。父は不動産屋だったので、父のアドバイスもあり土地を買う話になりました。 そして、いざ建てるとなった時にデザインは友達の紹介で知り合った建築士さんに、施工は建築士さんの同級生さんの会社に、といろんなめぐりあわせやご縁が繋がっていって、勢いもあって、この宿ができました。

これからやっていきたいことはありますか?

良美さん
近所の鮮魚店やスーパーが閉店してしまい、美味しいお魚や鳥刺しが買えるお店がなくなってしまって、困っています。
敦さん
宿に泊まるお客さんにも買い物ができる場所を案内していましたが、案内ができなくなったことや、私達だけでなく川尻の住人の皆さんも困っていると思います。
良美さん
自分達が魚屋をできれば良いんですが、さすがに体力もマンパワーも考えると難しいです。 ですので、魚屋をやってくれる人が現れたら嬉しいです。物件を探してDIYをしたり、集客したりするのはいくらでも力を貸しますので、一緒にできたらいいなと思っています。

移住者へのアドバイス

敦さん
不安なことはいっぱいあるかもしれませんが、あまり考えずに飛び込むこと、どこでもやっていけると思います。
良美さん
本気で移住したいと思うならどこでも暮らせるし、楽しいことがいっぱいありますよ。
敦さん
指宿の環境は抜群なので、あとはお仕事をどうしていくかだけだと思います。収入は減るかもしれませんが、東京と比べる必要もなくて、指宿で得られる収入で生活することはできます。